ビットコイン関連株に再び資金流入|急反発の背景と国内注目銘柄

日本投資機構 編集部

日本投資機構株式会社

ビットコイン関連株に再び資金流入|急反発の背景と国内注目銘柄

ビットコインが2026年8月19日に一時69,000ドル台へ戻り、米国と日本の関連株へ買いが入りました。国内では、BTCを保有する企業の上昇率が取引所・金融系を上回っています。

今回の反発は関連株の一斉高ではなく、BTC保有型へ短期資金が偏った動きです。急反発の背景と国内注目銘柄を整理し、上昇が続く条件まで確認します。

目次

ビットコインは一時69,000ドル台へ急反発、6月以来の高値

ビットコインは一時69,000ドル台へ急反発、6月以来の高値

ビットコインは米国時間の8月19日、64,000ドル台から69,000ドル台まで急伸しました。上昇率は一時7%を超え、6月以来の高値を付けています。BTC関連株も連動して値幅を広げました。

1日で7%超上昇し64,000ドル台から切り返す

8月19日のビットコインは64,124ドル付近を安値に、69,890ドル付近まで上昇しました。安値から高値までの値幅は約9%です。24時間の騰落率でも約7%上昇し、3月以来の大幅高となりました。6月から続いた60,000ドル前後での売り圧力を短時間で押し返した形です。

ただし、急騰前には米国債利回りの上昇を受け、64,000ドル台まで売られていました。値幅の大きさは投資家心理の改善だけでなく、売り方の買い戻しも含むとみられます。1日だけの値動きで上昇基調への転換を決める段階ではありません。

ビットコイン価格チャート

米国ではStrategyやCoinbaseなど関連株も二桁高

米国株市場では、BTCを大量保有するStrategyが前日比約13%上昇しました。暗号資産交換業のCoinbaseは約10%、ステーブルコイン関連のCircleも約10%高です。マイニングとBTC保有を組み合わせるAmerican Bitcoinは約14%上昇しました。

BTC価格へ直接連動しやすい企業ほど上昇率が大きくなっています。一方、通常の金融事業を主力とする企業は、暗号資産が収益全体へ与える影響が薄まります。米国市場の値動きも、関連銘柄を同じ基準で比べられない現実を示しました。

過去最高値からはなお約45%低い水準

ビットコインは2025年10月に126,000ドルを上回りました。69,000ドル台へ戻しても、過去最高値との開きは約45%あります。今回の上昇は下落分の一部を戻した段階であり、高値更新を狙う相場とは距離が残ります。

最高値からの下落過程では、現物ETFからの資金流出や米長期金利の上昇が重荷となりました。暗号資産からAI関連株へ資金が移った影響もあります。69,000ドル台は底打ちを確定する価格ではなく、戻り売りが出やすい帯です。

米長期金利の低下・規制整備・ETF流入が買いを呼び戻した

米長期金利の低下・規制整備・ETF流入が買いを呼び戻した

反発の背景には3つの材料があります。米長期金利の低下、暗号資産規制の具体化、現物ETFへの資金流入が同じ時期に重なりました。買い戻しだけでは説明しにくい動きです。

米財務省の国債買い戻し拡大で長期金利が低下

米財務省は8月19日、残存期間の長い国債を買い戻す上限を1回20億ドルから少なくとも40億ドルへ引き上げると発表しました。実施期間は9月9日から11月4日です。発表後は30年債利回りが一時約0.1ポイント低下し、ドルも下落しました。

金利を生まないビットコインは、長期金利の低下で相対的な不利が和らぎます。ただし、国債買い戻しは量的緩和と同じ政策ではありません。需給を整える措置であり、金利低下が長く続く保証もありません。米財務省の次回買い戻し規模と米国の物価指標が次の変動要因です。

SECの暗号資産規制案とホワイトハウス会合が政策期待を支える

米証券取引委員会は8月18日、暗号資産の発行と取引に関する新たな規則案を公表しました。設立初期の事業者に最大500万ドル、幅広い資金調達に年間最大7,500万ドルの免除枠を設ける案です。意見募集は60日間続きます。

翌19日には、米大統領がCoinbaseやKrakenなどの経営陣と会談しました。規制緩和が決まったのではなく、制度案が審議へ進んだ段階です。議会で停滞する市場構造法案の行方も残り、政策期待だけで買い続けるには不確定要素があります。

米国の現物ビットコインETFは3日連続の資金流入

Farside Investorsの集計では、米国の現物ビットコインETFに8月17日から19日まで3営業日続けて資金が入りました。純流入額は順に2億9,750万ドル、1億8,930万ドル、1億6,420万ドルです。3日間の合計は約6億5,100万ドルとなります。

米国の現物ビットコインETFは3日連続の資金流入

価格上昇とETF流入が同時に進んだ点は、現物需要の回復を示します。ただし、8月前半には1億ドルを超す流出日も複数ありました。短期の資金移動は方向が変わりやすく、週単位の累計と運用残高の増減まで追う必要があります。

国内ではBTC保有型の関連株に買いが集中

国内ではBTC保有型の関連株に買いが集中

8月20日の東京市場では、BTCを財務資産として保有する企業へ買いが集まりました。前場ではメタプラネットの上昇率が関連株の中で突出しています。値上がり率には明確な差が出ました。

メタプラネットは二桁高、43,000BTCの保有量に注目

メタプラネットの8月20日前場終値は253円で、前日比16.06%高でした。同社の開示ページではBTC保有量を43,000BTCとしています。BTC価格が1%動くだけでも、円換算した保有資産の評価額は大きく変わる規模です。

8月18日には、米Super Leagueへ2,100BTCと現金250万ドルを拠出する取引も公表しました。取引後の持ち分は約95.7%となる予定です。BTCを売却して手放すのではなく、連結対象となる米国子会社へ移し、米国で財務戦略を広げる計画です。

リミックスポイントは暗号資産の評価損益が約23.7億円改善

リミックスポイントの8月20日前場終値は224円で、前日比5.66%高でした。同社は同日、保有する暗号資産の評価損益が6月末から約23.7億円改善したと発表しています。6月末の19.45億円の評価損は、8月20日9時時点で4.23億円の評価益へ変わりました。

BTC単体では4.32億円の評価益です。当日の株価上昇には、BTC反発と同時発表の評価改善が直接効いたと考えられます。評価額は暗号資産価格で毎日変わるため、利益改善がそのまま固定されるわけではありません。

Bitcoin Japanは社名だけでBTC保有株と判断できない

Bitcoin Japanは8月20日前場を92円で終え、前日比3.37%高でした。ただし、直近の開示はAIとロボット分野の商標出願が中心です。7月公表の資金調達計画では、調達予定額約96.6億円のうちBTC取得へ回す予定額は約6.6億円でした。

Bitcoin Japanは社名だけでBTC保有株と判断できない

社名にBitcoinが入っていても、企業価値の大半がBTCへ連動するとは限りません。AI関連投資や既存事業、資金調達に伴う株式数の増加も株価へ影響します。純粋なBTC保有型と同じ感覚で比べると、材料の読み違いが起きます。

取引所・金融系の上昇は小幅、関連株の感応度に差

取引所・金融系の上昇は小幅、関連株の感応度に差

BTCを直接保有する企業が大きく上昇した一方、取引所・金融系の上げ幅は限られました。収益源が分散する企業ほど、BTC反発の影響も薄まります。前場の値動きにも差が表れました。

GMOフィナンシャルHDは暗号資産事業と業績の両方が評価軸

GMOフィナンシャルホールディングスは8月20日前場を1,085円で終え、前日比1.02%高でした。2026年1月から6月の営業収益は295億円で前年同期比9.9%増、営業利益は104億円で5.9%増です。一方、暗号資産事業は市場低迷の影響を受けました。

BTC反発は取引量の回復を通じて追い風になりますが、連結利益はFXや証券事業にも左右されます。BTCの値上がり率をそのまま株価へ当てはめる銘柄ではありません。取引高、口座数、暗号資産部門の利益率がそろって伸びるかを確認したい銘柄です。

マネックスグループはCoincheckの取引動向が株価へ波及

マネックスグループは暗号資産交換業のCoincheckを傘下に持ちます。BTC価格の上昇は顧客の売買を活発にしやすく、取引手数料や販売所収益へ波及します。ただし、国内証券や資産運用なども抱え、株価は暗号資産だけでは決まりません。

8月6日公表の第1四半期資料では、デジタルアセット事業にCoincheckと3iQを含めています。BTC価格よりも、取引高と預かり資産の増加が収益へ直結しやすい構造です。価格上昇が数週間続き、個人の売買が増えるかが業績への波及を分けます。

短期資金はBTC価格へ直接連動しやすい銘柄を選好

今回の上昇率を比べると、BTC保有型、取引所型、総合金融型の順で値動きが小さくなりました。短期売買では、材料と株価の因果が分かりやすい銘柄へ注文が集まりやすいためです。BTC保有額が時価総額へ占める比率が高い企業ほど、値動きも増幅されます。

反対に、交換業は取引量が増えなければ収益が伸びません。BTCが上昇しても、投資家が保有を続けるだけなら手数料収入への効果は弱まります。1日の上昇率だけで出遅れと決めず、各社の収益構造へ分けて比べる必要があります。

BTC保有量が多くても関連株の価値は1対1では決まらない

BTC保有量が多くても関連株の価値は1対1では決まらない

保有BTCの増加は株価材料になりますが、保有量の順位だけでは割安さを測れません。時価総額、発行済み株式数、本業の利益を同じ日付で比べる必要があります。同じ保有企業でも評価は変わります。

時価総額と保有BTC評価額を比較する

BTC保有企業を比べる際は、保有BTCの時価を計算し、企業の時価総額との差を見る方法があります。株価が保有BTCの時価を大きく上回る場合、市場は追加取得力や運用収益、経営陣への期待まで織り込んでいます。

BTCが同じ比率で上昇しても、上乗せ評価が大きい企業ほど株価の下落余地も広がります。反対に時価総額が保有資産へ近くても、負債や税金、事業費を差し引く必要があります。単純な保有額と時価総額の差だけで割安とは言い切れません。

増資や新株予約権による1株価値の希薄化に注意

BTC取得資金を増資や新株予約権で調達すると、企業全体のBTCは増えても発行済み株式数も増えます。株主が見るべき数字は総保有量だけではありません。1株当たりBTCが増えたか、調達価格が市場価格へ近いかまで確認する必要があります。

株価が下がると、新株予約権の行使条件や調達額が変わる場合もあります。計画したBTCを取得できず、株式数だけが増える形は既存株主に不利です。発行条件、行使状況、取得済みBTCの3点を同じ開示期間で追うと、希薄化と資産増加の差が見えます。

評価益の拡大と本業の利益を分けて確認する

暗号資産の評価益は、保有中のBTC価格が上昇すると拡大します。現金収入とは異なり、価格が反落すれば評価益も縮みます。メタプラネットは2026年上期にBTC評価損を計上し、最終損失が大きく膨らみました。

評価損益と営業利益を分けると、株価を支える利益が継続型か価格連動型か分かります。リミックスポイントもエネルギー事業を持ち、交換業とは異なる収益構造です。BTC反発だけで通期利益を固定的に見積もるのは危険です。

反発継続の確認点は70,000ドル回復・ETF流入・米長期金利

反発継続の確認点は70,000ドル回復・ETF流入・米長期金利

関連株への買いが続くには、BTC価格以外の確認も必要です。70,000ドルの維持、ETFへの純流入、米長期金利の安定が同時に続くかを見ます。3つの指標を並べて追います。

70,000ドルを維持できるかが短期需給の分岐点

70,000ドルは投資家が意識しやすい節目で、6月以降の戻り売りが出やすい価格帯でもあります。終値で上回る日が増えれば、売り方の買い戻しだけでなく、新規の現物買いが続いている可能性が高まります。

一時的な突破より、数日間の終値と売買高を組み合わせて確認したい水準です。70,000ドルを超えた直後に出来高が細り、再び64,000ドル台へ戻るなら、今回の上昇は短期の買い戻しだった可能性が残ります。上値を追う注文の厚さも表れます。

ETF流入が一時的な買い戻しで終わらないか

現物ETFは機関投資家や資産運用会社がBTCへ資金を振り向ける経路です。流入が続けば、先物主導の上昇より現物需給が安定します。反対に価格上昇中でもETFから資金が流出すれば、短期投資家の売買へ依存した相場となります。

日次データは振れやすいため、5営業日の合計と複数ETFへの広がりを見ます。特定の大型ETFだけへ資金が入り、他のETFで流出が続く場合は需要の厚みが不足します。BTC関連株では、ETF流入の鈍化が保有資産への上乗せ評価を縮める要因になります。

米長期金利の再上昇は暗号資産の逆風になり得る

米長期金利が再び上昇すれば、債券の利回りが高まり、BTCを保有する機会費用も上がります。国債買い戻しによる金利低下が続くかは、米国のインフレ率、雇用、国債発行計画に左右されます。

BTCだけが上昇しても、長期金利とドルが同時に上向けば反発の持続力は弱まりやすいと考えられます。関連株はBTC以上に値幅が広がるため、米国債市場が荒れた日の下落率も大きくなりがちです。債券と為替の同時確認が欠かせません。注意が必要です。

まとめ|ビットコイン関連株は一斉高の後の選別が重要

まとめ|ビットコイン関連株は一斉高の後の選別が重要

今回の反発では、BTC保有型の国内株へ買いが偏りました。

短期の値動きは保有BTCへの感応度で差が付き、上昇率にも大きな開きが出ました。

中期では、希薄化、本業の利益、ETF流入を外せず、保有量だけの比較では足りません。銘柄選別が必要です。

関連株という名前ではなく、利益がBTC価格へ連動する経路で選別する相場です。

短期はBTC保有型、中期は財務と本業を重視

短期売買では、保有BTCの評価額が時価総額へ与える影響が大きい企業ほど値幅が広がります。上昇率の高さは利益機会になる反面、BTC反落時の下げも増幅します。損切り水準を決めずに高値を追うと、1日で想定以上の損失が出ます。

保有期間を延ばすなら、1株当たりBTC、本業の営業利益、資金調達後の株式数を優先します。取引所・金融系では、BTC価格より取引高と顧客資産の増加が先行指標です。投資期間に応じて見る数字を変えると、銘柄間の差が明確になります。

関連記事と各銘柄記事も2026年8月時点へ更新

ビットコイン投資の基礎記事では、過去最高値からの下落率、2026年のETF資金流出入、米国の規制案を追加します。BTC保有企業の記事では、保有量だけでなく時価総額との差、増資、新株予約権を反映します。

価格、保有量、決算を同じ基準日へそろえると、古い強気材料の残存を防げます。今回の市場ニュースを起点に関連記事をつなぎ、BTC価格が再び動いた際も最新の企業情報へたどれる構成に改めます。更新日も明記します。

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執筆者情報

nari

日本投資機構 編集部

日本投資機構株式会社

INVEST LEADERSを運営する顧問投資会社「日本投資機構株式会社」の代表取締役を含めたスタッフ及びサポートアナリストの記事を掲載しています。株式投資や金融に纏わる話題は勿論のこと、読者の暮らしや生活を豊かにするトピックスや情報を共有していきます。

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