東証グロース市場のテンバガー候補銘柄を紹介!成長著しい新興企業から10倍株を探せ

東証グロース市場のテンバガー候補銘柄を紹介!成長著しい新興企業から10倍株を探せ

東証グロース市場は、イノベーション(技術革新)や成長を追求する企業が集まる、まさにテンバガーの宝庫です。
しかし、その中身は玉石混交。
株価10倍のポテンシャルを秘めた銘柄をどう見極めるかが、テンバガー投資の成功を左右します。

この記事では、東証グロース市場に焦点を当てて、テンバガー銘柄が持つ傾向を徹底解説します。
そして、テンバガー候補銘柄を探すための具体的な条件や、注目の候補銘柄までをご紹介。
市場再編後のグロース市場から資産を大きく増やす「10倍株」を発掘するためのヒントを提供します。

目次

東証グロース市場にはテンバガー候補となる成長株が多数上場

東証グロース市場は、高い成長可能性を有する企業を主な対象としています。

その上場条件は「利益の額や継続性を問わない」という点で、プライム市場やスタンダード市場と一線を画します
今は赤字でも、将来的に成長が見込める革新的なビジネスモデルを持つベンチャー企業を積極的に受け入れているのです。

また、その柔軟な上場基準から、時価総額が小さく、これから大きく上昇する余地のある銘柄が多い点も新興市場の特徴です。
こうした小型株は、1つニュースが出るだけで株価が大きく動くため、大型株と比べてテンバガーになる可能性が高いのです。

東証グロース市場上場で過去にテンバガーになった銘柄は?


東証グロース市場に上場する銘柄のうち、過去にはどのような銘柄がテンバガーになったのでしょうか。
ここからは市場で特に話題になった銘柄を取り上げて、その上昇要因を見ていきましょう。

イオレ(2334)暗号資産分野へと事業を大きく転換

※TradingViewより引用

イオレは、連絡網SNS「らくらく連絡網」の運営を軸に、そこで蓄積した会員データを活用するデジタル広告・データベースマーケティングを主力とする企業です。
しかし、2025年に暗号資産分野やAI分野への進出方針を示し、市場の評価が大きく変化しました。
株価は2025年1月の安値440円から8月の高値9,900円まで、7カ月ほどで22倍以上の上昇を見せています。

暗号資産×AIのテーマ性が浮上し連続ストップ高に

イオレは2025年3月26日の大引け後に「新たな事業の開始に関するお知らせ」という開示を行い、「暗号資産事業」や「AIデータセンター事業」への参入を発表
暗号資産とAIデータセンターはいずれも市場の注目度の非常に高いテーマでしたから、新規参入で、投資家の注目が一気に集まりました。

株価は連続してストップ高をつけて、3月26日の終値541円から4月2日の高値1,790円まで5営業日で3.3倍に急騰しました。
その後も、4月14日には、金融メディアのZUUとWeb3アセットマネジメントで資本業務提携を締結し、暗号資産金融へ踏み込む方針を明確化。
5月21日にはGPUサーバー販売の開始、7月22日にはデジタルダイナミック社との分散型AIデータセンター事業での連携を発表するなど、AIインフラ方面の具体策も次々とリリースし、買いを集めました。

中期経営計画が評価されるもワラント発行で急反落

さらに、7月30日には通期業績予想を大幅に上方修正。
新たに販売を開始したGPUサーバーに関して、代理店の獲得が順調に推移した結果、商談件数が想定以上に増加したと発表しています。
▼また、8月14日には、中期経営計画を見直し、AI関連・暗号資産金融を柱に28年3月期に売上220億円・営業利益33億円を目指すと発表しました。

※2025年8月14日のイオレによる開示「事業計画及び成長可能性に関する事項(中期経営計画)」
URL:https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS02822/9eedadee/7a34/40cb/a4a0/e14977a3c23f/140120250814541434.pdf

このタイミングでイオレ株はさらに値を飛ばして上昇を加速させます。

▼しかし、9月9日に行使価額修正条項付きのMSワラント(第14回新株予約権)等の発行を発表すると、株価は急失速。

※TradingViewより引用

権利行使によって、発行済株式総数が増加し、株式価値の希薄化と需給悪化が警戒されました
急速に値を飛ばし、高値ではPER287倍と今後の成長をかなり織り込む水準まで上昇していただけに、調整幅も大きくなっています。

プログリット(9560)業績の急拡大とテーマ性が評価される

※TradingViewより引用

プログリットは、業績の好調さとリスキリング関連としてのテーマ性が評価され、上場から1年足らずでテンバガーを達成しています。
株価は2022年12月の安値221円から2023年6月の高値2,499円まで約半年で11倍になりました。

上場から間もないタイミングで業績予想を引き上げ

特に、2023年4月14日に会社が2023年8月期の通期見通しを上方修正し、経常利益を従来予想の3億2,400万円から4億5,000万円へ引き上げたことが株高を加速させました。
業績拡大の背景として「脱コロナで企業の海外転勤や個人の海外渡航意欲が回復し、英語コーチングとサブスク型の『シャドテン』の顧客数が増えた」と説明しています。
有料会員を積み上げるサブスク型のビジネスモデルで、安定的に収益を伸ばしていくとの期待が株価を押し上げた面もあるでしょう。

国策テーマ株として買い加速も、激しい動きに

また、当時日本政府がリスキリング(学び直し)を支援する方針を示していたため、国策テーマに関連する銘柄として物色された面もあります。

しかし、上場間もなく値動きが荒くなりやすい環境で一気に株価が上昇したため、反動も大きくなりました。
▼2023年6月21日には、連日の高値更新の反動で利益を確定する売りが強まり、ストップ安売り気配となる場面も見られています。

※TradingViewより引用

PER100倍近い株価まで上昇していたため、割高感が意識された面もあるでしょう。

ヘッドウォータース(4011)ChatGPT関連のど真ん中銘柄に

※TradingViewより引用

2022年11月末のChatGPTリリース後、早い段階で関連銘柄として上値を追う動きとなったのが、ヘッドウォータースです。
株価は2022年12月の安値815円から2024年3月の高値1万245円まで、1年3ヵ月で12倍以上になっています。

マイクロソフトやエヌビディアとの関係に期待感

ヘッドウォータースはAzure OpenAI Serviceなど生成AIの実装を強みとしており、2023年通期資料では「ChatGPTの追い風で引き合い・受注が順調に増加」と明記。
マイクロソフト(Azure OpenAI)やエヌビディア等とのパートナー体制を構築しており、「生成AIを企業に実装するインテグレーター」としての立ち位置が投資家に評価されました。
生成AI関連事業で爆発的に成長するとの期待が高まり、株価も大きく上昇しました。

期待買いが一巡した後は業績面を頼りに上下する動きに

その後、2023年8月14日に発表した23年12月期第2四半期単体(4-6月)の営業損益は1,500万円の赤字となり、ストップ安をつける場面も見られました。
ただ、同年11月14日に発表された23年12月期第3四半期単体(7-9月)の営業損益は3,800万円の黒字に浮上し、再度上値を追う動きに転じています。
2024年3月には1万245円の上場来高値をつけました。

しかし、2025年12月期の売上高は前期比で37.9%増の40億700万円を見込む一方、営業利益は同6.8%増の3億2,800万円にとどまり、伸び悩む見通し。
AI実装分野の競争が激化するなかで人材費の高騰などが利益を押し下げており、株価は再度調整局面を迎えています。

※TradingViewより引用

東証グロース市場上場でテンバガーになった銘柄の傾向

東証グロース市場上場でテンバガーを達成したイオレやプログリット、ヘッドウォータースにはいくつかの共通点があります。

まず1つ目は、急騰前の時価総額が100億円に満たない小型株で、値動きが荒くなりやすかったという点です。

2つ目の共通点は、テーマ性の強さです。
AIや暗号資産、国策等分かりやすい成長テーマに乗っており、投資家に成長シナリオを示しやすかった面があります。

3つ目の共通点は、社長や会長が筆頭株主であり、経営陣に積極的な開示を行って株価を上昇させるインセンティブがあった点です。
ベンチャー企業では、創業社長が積極的に投資家に対する発信を行うケースも多く、こうした発信が株高を加速させる傾向があります。

東証グロース市場から10倍株を探す条件を紹介

過去にテンバガーを達成した銘柄の傾向を加味して、私が東証グロース市場からテンバガー候補を探すのであれば、まずは押さえておきたい条件をまとめました。
銘柄を選ぶ際の参考にしていただければと思います。

条件1:時価総額100億円以下

株価が大きく上昇するためには、企業の時価総額もそれに伴って成長する必要があります。時価総額がすでに数千億円や数兆円に達している大企業が、10倍の成長を遂げるのは非常に困難です。
一方、時価総額100億円以下の企業であれば、業績の急拡大に伴って時価総額が10倍(1,000億円)になることも現実的です。

実際に東証グロース市場に上場していて、テンバガーを達成した銘柄の多くは、株価上昇のスタート時点では時価総額が100億円以下の水準にありました。
そのため、東証グロース市場でテンバガー候補を探す際の最初のスクリーニング条件として、まずは時価総額を見ておきたいです。

条件2:社長や会長が筆頭株主

経営トップである社長や会長が会社の株式を多く保有し、筆頭株主となっている企業は、テンバガー候補として注目に値します。
自社株を多く保有する経営者は、自身の資産増加に直結する株式の価値向上への意欲が非常に強くなります。
これにより、大胆かつ迅速な事業投資や革新的な戦略を打ち出す可能性が高まります。

また、社長や会長が直近で保有株数を増やしているか、減らしているかにも注目したいです。
例えば、イオレ(2334)のケースでは、2025年3月にAIやデータセンター関連の新規事業開始を発表する前の2月の段階で、取締役会長である吉田直人氏が自社株を買い増しています。
経営陣による自社株の積極取得は、株価に対する強気シグナルの可能性があるため、見逃さないようにしたいです。

条件3:移動平均線が上向き

株価は、企業のファンダメンタルズ(業績など)を反映しますが、そのトレンドを視覚的に捉えることも重要です。
株価チャートを見て、テクニカル分析の基本である移動平均線を確認するようにしましょう。

投資家からの注目が徐々に集まる局面では、株価も出来高を伴って少しずつ上向いてくるはずです。
テンバガーを狙う上では、出来高がじわじわと増加し、移動平均線が緩やかに上向くような右肩上がりの推移を見せ始めている銘柄が、特に有望となるでしょう。

逆に、一見将来性があるように見えても株価が下落トレンドにある銘柄は、市場から評価される時期が終わってしまった可能性があるため注意が必要です。

【テンバガー候補】注目の東証グロース銘柄

上記の条件で絞り込んだ銘柄について、さらに事業内容を加味して、テンバガー(株価10倍)候補となる、グロース市場に上場する銘柄をまとめました。

コード銘柄名事業内容
5131リンカーズ製造業向けに、技術・パートナー探索や販路開拓を支援するB2Bマッチング/SaaSと調査サービスを提供。
9240デリバリーコンサルティング戦略策定から設計・開発、内製化支援まで一気通貫で担うDX/テクノロジーコンサルティングを手掛ける。
244Aグロースエクスパートナーズグループ連携で大企業のエンタープライズDXを支援。
4055ティアンドエスグループDX・半導体工場向けシステム・AIの3領域で、受託開発~運用保守まで展開する独立系ソフトウェア企業。
265AHm c o mm音声AIなどのAI受託開発・コンサルティングを中心に、顧客課題に合わせた開発を提供。
4379Photosynthクラウド型入退室管理「Akerun」等で、施設の無人化・省人化を進めるスマートアクセス/オペレーションのSaaSを提供。
7090リグア接骨院向けに経営・システム支援や保険請求ソフト等を提供する「ウェルネス」事業と、保険代理店等の「ファイナンシャル」事業を展開。

まとめ|低時価総額×テーマ性が10倍の鍵

この記事を通じて、東証グロース市場が「テンバガー(10倍株)の宝庫」である理由と、その中から成功銘柄を見極めるための具体的な方法を解説しました。
東証グロース市場には、イノベーションを追求し、短期的な利益に縛られない成長志向の企業が数多く上場しています。

過去にテンバガーを達成したイオレ、プログリット、ヘッドウォータースの事例を分析すると、成功の鍵となる共通点が浮き彫りになります。
それは、急騰前の時価総額が100億円未満の小型株で、AIや暗号資産などの強力な市場テーマに乗っていた点です。
さらに社長や会長が筆頭株主となっており、株価を上昇させる強いインセンティブがあったと考えられます。

こうした傾向を意識しながら、是非ご自身でも有望な銘柄を探してみてください。

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執筆者情報

nari

石塚 由奈

日本投資機構株式会社 投資戦略部 主任代理/日本証券アナリスト協会認定アナリスト(CMA)/日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト(CMTA®)

国内株式、海外株式、外国為替の領域で経験豊富なアナリスト・ファンドマネージャーのもと、金融市場の基礎・特徴、マクロ経済の捉え方、個別株式の分析、チャート分析、流動性分析などを学びながら、日本投資機構株式会社では唯一の女性アナリストとして登録。自身が専任するLINE公式など各コンテンツに累計7000名以上が参加。Twitterのフォロワー数も3万人を超える人気アナリスト。

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