銀行株は買いか?2026年の今後の見通しと本命5銘柄を分析

大畠 典仁

日本投資機構株式会社 アナリスト

銀行株は買いか?2026年の今後の見通しと本命5銘柄を分析

銀行関連銘柄は、2026年の日本株市場で注目を集めるテーマの一つです。日本銀行による利上げを背景に、銀行の収益改善への期待が高まっているほか、株主還元を強化する銀行が増えていることから、中長期の投資先としても関心を集めています。

本記事では、銀行関連銘柄が注目される理由や代表的な銘柄、投資する際のポイントについて、最新の市場動向を踏まえながらわかりやすく解説します。

また、「銀行株は今から買いか」「2026年もまだ上がる可能性があるのか」という疑問に答えるため、今後の見通しについて強気・中立・弱気の3つのシナリオに分けて、アナリストとしての見解を整理しています。

目次

銀行関連銘柄とは

銀行関連銘柄とは

銀行関連銘柄とは、預金や融資、決済、資産運用などの金融サービスを手がける銀行および銀行持株会社の株式を指します。代表的な企業には、全国や海外で幅広く事業を展開するメガバンクのほか、特定の地域を主要な営業基盤とする地方銀行があります。

銀行は預金と融資を通じて収益を得る

銀行は、個人や企業から預かった資金を企業向け融資や住宅ローンなどに振り向け、その金利差から収益を得ています。この預金金利と貸出金利の差は「利ざや」と呼ばれ、銀行の中核的な収益源の一つです。

ただし、銀行の収益は利ざやだけで決まるわけではありません。振込や決済、投資信託・保険商品の販売、証券、海外事業などから得る手数料収入も重要な収益源となっています。

メガバンクと地方銀行では特徴が異なる

メガバンクは、国内の大企業向け融資に加え、海外融資や証券、資産運用など幅広い事業を展開しています。そのため、国内金利だけでなく、海外経済や為替、各国の金融政策からも影響を受けます。

一方、地方銀行は特定地域の個人や中小企業を主要な顧客としており、地域経済や人口動態、地元企業の資金需要が業績を左右しやすい特徴があります。

2026年に銀行関連銘柄が注目される理由

2026年に銀行関連銘柄が注目される理由

2026年の株式市場では、日本銀行の金融政策正常化を背景に、銀行関連銘柄への関心が続いています。長期間にわたる低金利環境から金利のある世界へ移行するなか、銀行の収益環境が変化するとの期待が高まっているためです。日本銀行は2026年6月、政策金利を1.0%程度へ引き上げました。

金利上昇による収益改善が期待されている

市場金利が上昇すると、銀行は貸出金利を引き上げやすくなります。預金金利も上昇する可能性がありますが、貸出金利の上昇が先行すれば、国内預貸金利ざやの改善につながる場合があります。

とくに国内融資の比重が高い銀行では、金融政策の正常化が収益改善の追い風になるとの見方から、投資家の注目を集めています。

企業の資金需要回復も追い風となる

企業が設備投資や事業拡大を進めれば、銀行に対する融資需要の増加が期待されます。また、賃上げや物価上昇を背景に経済活動が活発化すれば、法人向け融資だけでなく、個人向けローンや決済サービスの利用拡大につながる可能性もあります。

資本効率と株主還元への意識が高まっている

近年は銀行各社が、収益力の向上だけでなく、資本効率の改善にも取り組んでいます。政策保有株式の縮減や増配、自社株買いなどを進める企業も見られ、金利上昇による業績改善と株主還元の両面から評価されやすくなっています。

銀行株は買いか?2026年の今後の見通し

銀行株は買いか?2026年の今後の見通し

2026年の銀行株は、金利上昇による収益改善が期待できる一方、すでに株価が上昇している銘柄も少なくありません。そのため、銀行株全体を一律に買うのではなく、今後の利益成長と現在の株価水準を比較しながら銘柄を選ぶことが重要です。

筆者は、中長期では引き続き検討余地があるものの、短期的な高値を追う際は慎重な判断が必要だと考えています。銀行株がまだ上がるかどうかは、追加利上げの有無だけではなく、貸出残高や預貸金利ざや、貸倒費用、株主還元などによって変わります。

強気シナリオ|追加利上げと融資需要の拡大

強気シナリオは、日本銀行が追加利上げを進めても景気が大きく崩れず、貸出金利と融資残高がともに伸びる展開です。企業の設備投資や事業拡大に伴う資金需要が続き、増配や自社株買いも拡大すれば、銀行株がさらに評価される可能性があります。

中立シナリオ|好業績でも銘柄ごとの選別が進む

中立シナリオは、銀行の利益が会社計画に沿って伸びる一方、金利上昇への期待が株価へある程度織り込まれている展開です。この場合、銀行株全体が大きく上昇するというより、業績の上方修正余地や株主還元、ROE、PBRの違いによって銘柄ごとの明暗が分かれると考えられます。

弱気シナリオ|景気減速と貸倒費用の増加

弱気シナリオは、国内外の景気が減速し、企業倒産や返済遅延によって貸倒費用が増える展開です。金利が急上昇すれば、銀行が保有する国債や外国債券の評価損が膨らむ場合もあります。利上げ観測が後退した場合は、銀行株へ流入していた資金がほかの業種へ移る可能性にも注意が必要です。

シナリオ主な条件銀行株への影響
強気追加利上げ、貸出増加、増配・自社株買い利益の上振れが確認できる銘柄は再評価される可能性
中立金利と業績が会社計画どおりに推移ROEやPBR、株主還元による選別が進む可能性
弱気景気減速、貸倒費用増加、債券評価損業績予想の下方修正を伴う調整に注意

銀行株が今後も上昇するためには、金利上昇による期待だけでなく、実際の決算で資金利益や貸出残高が伸びることが必要です。反対に、好決算でも市場予想に届かなければ、材料出尽くしで売られる場合があります。「利上げだから買い」と決めつけず、業績と株価指標をセットで確認しましょう。

銀行関連銘柄は過去の金融政策の転換局面でも注目された

銀行関連銘柄は過去の金融政策の転換局面でも注目された

銀行関連銘柄は、これまでも金融政策の転換や景気回復への期待が高まる局面で市場の注目を集めてきました。銀行の業績は金利だけでなく、企業の設備投資や融資需要にも左右されるため、景気改善が期待される局面では買われやすい傾向があります。過去の相場を振り返ることで、銀行関連銘柄が注目される背景をより理解しやすくなります。

アベノミクスでは銀行株が大きく上昇した

2012年末に発足した第2次安倍政権では、大規模な金融緩和や経済政策を背景に円安・株高が進みました。企業業績や景気回復への期待が高まったことで金融株にも資金が流入し、多くの銀行関連銘柄が大きく上昇しました。

現在とは背景が異なる点にも注意

現在は当時とは経済環境や金融政策が異なり、日本銀行は金融正常化を進める局面にあります。そのため、アベノミクス当時と同じ値動きを期待するのではなく、各銀行の業績や株主還元、金融政策などを総合的に判断することが重要です。

筆者が銀行関連銘柄に注目する理由

筆者が銀行関連銘柄に注目する理由

銀行関連銘柄に注目している理由は、日本銀行の金融政策だけではありません。筆者自身、過去に銀行株へ投資した経験を通じて、金融政策や景気の変化が銀行業界へ与える影響を実感してきました。その経験から、現在も中長期で注目したいテーマの一つとして継続的に調査しています。

リーマン・ショック後に銀行株へ投資した経験

リーマン・ショック後の株式市場では、金融不安から銀行株が大きく売られ、多くの投資家が慎重な見方をしていました。一方で筆者は、日本経済の回復とともに銀行株も見直される可能性があると考え、中長期の視点で投資を行いました。

過去の経験を現在の投資判断にも生かしている

もちろん、当時と現在では、金融政策や経済環境が大きく異なります。ただし、政策転換や景気の変化が銀行株を見直す契機になり得る点は共通しています。筆者は過去の経験だけに頼らず、各行の決算や金融政策を確認しながら継続的に分析しています。

2026年も銀行関連銘柄に期待している

もちろん、過去と現在では経済情勢や金融政策、市場環境は大きく異なります。そのため、アベノミクス相場と同じ値動きになるとは考えていません。

一方で、日本銀行による金融政策の正常化や企業の資金需要の変化、各行の株主還元強化など、銀行業界を取り巻く環境には前向きな材料も見られます。

そのため筆者は、短期的な値動きだけではなく、中長期の視点から銀行関連銘柄を継続して今後も分析を続けます。

銀行関連銘柄の選び方

銀行関連銘柄の選び方

銀行関連銘柄と一口にいっても、メガバンクから地方銀行まで特徴はさまざまです。金利上昇だけを理由に投資するのではなく、事業内容や営業エリア、経営戦略なども比較することで、自分に合った銘柄を選びやすくなります。

投資目的に応じて銀行の種類を選ぶ

メガバンクは国内外で幅広く事業を展開しており、海外事業や法人向けビジネスにも強みがあります。一方、地方銀行は地域密着型の営業基盤を持ち、地域経済や企業活動の活性化による恩恵を受けやすい特徴があります。海外分散や事業の多様性を重視する場合はメガバンク、特定地域の成長性や金利感応度を重視する場合は地方銀行というように、投資目的に応じて比較することが大切です。

事業内容や営業エリアを比較する

同じ銀行でも、法人融資に強い銀行や個人向けサービスを中心とする銀行、海外事業を積極的に展開する銀行など特徴はさまざまです。また、地方銀行は営業エリアの人口動態や産業構造によって成長性が異なるため、それぞれの強みを比較しながら選ぶことが重要です。

中長期の経営戦略にも注目する

銀行各社はデジタル化や海外展開、地域金融の再編など、さまざまな成長戦略を進めています。足元の業績だけでなく、中期経営計画や今後の成長戦略にも目を向けることで、中長期的な投資判断がしやすくなります。

ROE・PBR・配当方針も確認する

銀行株では、株主資本を使ってどれだけ利益を生み出したかを示すROEと、株価が純資産の何倍まで評価されているかを示すPBRも重要です。PBRが低いという理由だけで割安と判断せず、ROEの改善や政策保有株式の縮減、自社株買いなど、資本効率を高める取り組みが進んでいるかを確認しましょう。

銀行関連銘柄の本命5選

銀行関連銘柄の本命5選

銀行関連銘柄には、国内外で幅広く事業を展開するメガバンクから、地域経済を支える地方銀行まで数多くの企業があります。その中でも、業績や財務基盤、株主還元の充実度などを踏まえ、中長期で注目したい代表的な銀行関連銘柄を紹介します。ここでいう「本命」は将来の株価上昇を保証するものではなく、比較検討する際の有力候補という意味です。

銘柄2026年7月17日終値予想PER実績PBR予想配当利回り
三菱UFJ FG(8306)3,473円16.29倍1.85倍2.76%
三井住友FG(8316)6,721円15.09倍1.63倍2.68%
みずほFG(8411)7,930円14.87倍1.71倍1.89%
横浜FG(7186)1,794円15.46倍1.42倍2.62%
しずおかFG(5831)3,148円15.91倍1.36倍3.11%

※株価指標は2026年7月17日終値を基準とした参考値です。株価や会社予想の変更によって変動します。三井住友FGは2026年9月30日を基準日とする1株から2株への株式分割を予定しており、表は分割前の数値です。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)

国内最大級の金融グループである三菱UFJフィナンシャル・グループは銀行業務に加え、信託銀行、証券、カード、リースなど幅広い金融サービスを展開しており、海外事業の比率が高いことも特徴です。

近年は海外事業から得られる幅広い収益に加え、日本国内でも金利正常化による収益環境の改善が期待されています。また、積極的な自社株買いや増配を継続しており、株主還元にも力を入れています。安定した収益基盤を持つことから、銀行関連銘柄の代表格といえるでしょう。

三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)
2024年1月から2026年7月17日までの月足チャート TradingViewより引用

三井住友フィナンシャルグループ(8316)

三井住友フィナンシャルグループは、法人金融や海外事業にも強みを持つメガバンクです。近年は利益水準を高めており、法人向けビジネスや海外事業を成長分野に位置付けています。

株主還元にも積極的で、累進的な配当方針や機動的な自己株式取得を掲げている点も注目材料です。国内金利の上昇が進めば貸出金利の改善も期待され、中長期で注目したい銀行関連銘柄の一つです。

三井住友フィナンシャルグループ(8316)
2024年1月から2026年7月17日までの月足チャート TradingViewより引用

みずほフィナンシャルグループ(8411)

みずほフィナンシャルグループは、大企業から個人まで幅広い金融サービスを展開しています。過去にはシステム障害などが課題となりましたが、近年は経営基盤の強化や収益力の改善に取り組んでいます。

株主還元の拡充に加え、企業価値の向上を意識した資本政策も進めています。2026年度は年間150円の配当を予想し、1,000億円を上限とする自己株式取得も決議しており、中長期で注目したい銀行関連銘柄です。

みずほフィナンシャルグループ(8411)
2024年1月から2026年7月17日までの月足チャート TradingViewより引用

横浜フィナンシャルグループ(7186)

横浜フィナンシャルグループは、横浜銀行、東日本銀行、神奈川銀行を傘下に持つ地方銀行グループです。2025年10月にコンコルディア・フィナンシャルグループから現在の商号へ変更しました。首都圏を主要な営業基盤として、個人・法人向けの幅広い金融サービスを展開しています。

首都圏を中心とした厚い顧客基盤を強みとしており、金利正常化による収益環境の改善が期待されることから、地方銀行の中でも首都圏地銀の本命銘柄の一つです。

横浜フィナンシャルグループ(7186)
2024年1月から2026年7月17日までの月足チャート TradingViewより引用

しずおかフィナンシャルグループ(5831)

しずおかフィナンシャルグループは、静岡銀行を中核とする地方銀行グループです。製造業が集積する静岡県を主要営業エリアとしており、地域企業との強固な取引基盤を築いています。

健全性を重視した資本運営を行う一方、株主還元の拡充にも積極的に取り組んでいます。2026年度(2027年3月期)は年間98円の配当を予想しているほか、2027年度までに配当性向50%以上を目指す方針を掲げており、中長期の株主還元にも期待が寄せられています。

しずおかフィナンシャルグループ(5831)
2024年1月から2026年7月23日までの月足チャート TradingViewより引用

その他の銀行関連注目銘柄

本命5銘柄以外にも、営業地域や収益構造に特徴を持つ銀行があります。メガバンクと地方銀行では値動きの要因が異なるため、各行の決算や営業基盤を比較しながら検討するとよいでしょう。

銘柄名市場企業概要
【8308】りそなホールディングス東証プライム首都圏・関西圏を中心に展開する大手銀行グループ。個人・法人向け金融サービスに強みを持ち、金利上昇による利ざや改善や株主還元の強化が期待されます。
【7167】めぶきフィナンシャルグループ東証プライム常陽銀行と足利銀行を傘下に持つ地方銀行グループ。北関東を地盤とし、地域経済の成長や金利正常化による収益拡大が期待されます。
【8354】ふくおかフィナンシャルグループ東証プライム福岡銀行、熊本銀行、十八親和銀行、福岡中央銀行を傘下に持つ地方銀行グループ。九州経済の成長とともに融資需要の拡大が期待されています。
【7180】九州フィナンシャルグループ東証プライム肥後銀行と鹿児島銀行を中核とする地方銀行グループ。九州で進む半導体関連投資などを背景に、中長期的な融資需要の増加が期待されます。
【8304】あおぞら銀行東証プライム法人金融や不動産関連ファイナンスなどに強みを持つ一方、有価証券運用や海外不動産関連融資の影響を受けやすい点には注意が必要です。収益構造の改善や資産の健全化が進むかが今後の注目点となります。

銀行株が上昇した今、次に問われるのは「どの銀行が実際に利益を伸ばせるか」です。
金利上昇の恩恵を受けやすい銀行や、株主還元の拡大が期待される銘柄を自分だけで絞り込むのは簡単ではありません。アナリストが厳選した注目銘柄を、次の候補選びに活用してみませんか。

銀行関連銘柄へ投資するメリット・デメリット

銀行関連銘柄へ投資するメリット・デメリット

銀行関連銘柄は、金利上昇局面で恩恵を受けやすい一方、景気や金融政策の影響も受けやすい業種です。魅力だけでなくリスクも理解した上で投資することで、より納得感のある投資判断につながります。

銀行関連銘柄へ投資するメリット

銀行関連銘柄の魅力は、金利上昇による業績改善に加え、配当収入も期待できる点です。また、メガバンクと地方銀行では収益構造や営業地域が異なるため、投資方針に応じて銘柄を選び分けることもできます。

銀行関連銘柄へ投資するデメリット

一方で、景気後退や利下げ局面では収益への懸念が高まりやすい特徴があります。また、企業の倒産増加による貸倒費用の増加や、海外事業を展開する銀行では海外経済や為替の影響を受けることもあります。そのため、金融政策だけでなく経済環境全体を踏まえて判断することが重要です。

銀行関連銘柄は高配当株としても人気

銀行関連銘柄は高配当株としても人気

銀行関連銘柄は、金利正常化への期待だけでなく、株主還元を積極的に行う銀行が多いことでも注目されています。安定した利益を背景に、配当や自社株買いなど株主還元を積極的に進める銀行も増えており、インカムゲインを重視する投資家からも人気を集めています。

利益成長にあわせて株主還元を強化する銀行が増えている

近年は、メガバンクを中心に利益成長に応じた増配や自社株買いを実施する銀行が増えています。株主還元の充実は企業価値の向上にもつながることから、配当利回りだけでなく、各社が公表している還元方針にも注目するとよいでしょう。

配当利回りだけで判断しないことが重要

配当利回りが高い銘柄でも、業績悪化によって減配となる可能性があります。そのため、配当利回りだけを見るのではなく、利益の成長性や配当性向、株主還元方針なども含めて総合的に判断することが大切です。

銀行関連銘柄へ投資する際のポイント

銀行関連銘柄へ投資する際のポイント

銀行関連銘柄へ投資する際は、政策金利だけで判断するのではなく、銀行を取り巻く経営環境や決算内容にも目を向けることが重要です。収益構造を理解しておくことで、中長期的な投資判断もしやすくなります。

長短金利差にも注目する

長短金利差の拡大は、資金運用利回りの改善につながる場合があります。ただし、実際の収益への影響は、貸出金利と預金金利の改定時期や、各行の資産・負債構成によって異なります。

貸倒費用の増減を確認する

景気が悪化すると企業の倒産や返済遅延が増え、銀行は貸倒引当金を積み増す場合があります。決算資料では貸倒費用や与信関連費用の推移も確認することで、収益の変化を把握しやすくなります。

保有債券の動向にも目を向ける

銀行は国債や外国債券など多くの有価証券を保有しています。金利上昇局面では債券価格が下落するため、有価証券の評価損益が業績へ影響する場合もあります。決算資料では保有資産の状況もあわせて確認するとよいでしょう。

新規投資では一度に買い切らず、決算発表や相場全体の調整を見ながら複数回に分ける方法もあります。相場急落時の考え方は「暴落時に買いたい日本株10選」、新NISAでの銘柄選びは「成長投資枠は何を買う?」も参考にしてください。

銀行関連銘柄に関するよくある質問

銀行関連銘柄は、金利上昇局面で注目を集める一方、「今から投資しても遅くないのか」「地方銀行とメガバンクはどちらが良いのか」など、さまざまな疑問を持つ方も少なくありません。ここでは、銀行関連銘柄についてよくある質問にお答えします。

銀行関連銘柄への投資は今からでは遅いですか?

銀行株はすでに上昇している銘柄もあるため、すべての銘柄が割安とは限りません。ただし、今後の金利動向や利益成長、株主還元によって評価が変わる可能性があります。現在の株価だけで判断せず、PERやPBR、業績見通し、配当方針などを確認した上で検討することが大切です。

銀行株は2026年もまだ上がる可能性がありますか?

追加利上げや貸出残高の増加、利益の上方修正、増配・自社株買いが続けば、銀行株がさらに評価される可能性はあります。一方、金利上昇への期待が株価に織り込まれている銘柄では、好決算でも上値が限られる場合があります。銀行株全体ではなく、利益成長と現在の株価評価を比較して判断することが重要です。

銀行関連銘柄は新NISAの対象ですか?

はい。本稿で紹介したような上場銀行株は、整理・監理銘柄などの除外条件に該当しない限り、原則としてNISAの成長投資枠で購入できます。配当金や売却益が非課税となるため、高配当銘柄が多い銀行株は、新NISAを活用した中長期投資とも相性の良い投資先といえるでしょう。

なお、NISA口座で上場株式の配当金を非課税で受け取るには、配当金の受取方法を「株式数比例配分方式」に設定する必要があります。

メガバンクと地方銀行はどちらがおすすめですか?

どちらにも特徴があります。メガバンクは国内外に幅広い事業を展開しており、国内外に分散された収益基盤と高い流動性が特徴です。一方、地方銀行は地域経済の成長や再編によって大きく業績が伸びる可能性があります。安定性を重視するか、成長性を重視するかによって選ぶ銘柄も変わります。

金利が下がると銀行関連銘柄も下落しますか?

一般的に利下げ局面では貸出金利が低下し、銀行の利ざやに下押し圧力がかかる場合があります。ただし、預金金利の動きや貸出構成によって影響は異なります。

初心者はどの銀行関連銘柄から検討すればよいですか?

初心者であれば、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループなど、流動性が高く情報も豊富なメガバンクから比較検討するとよいでしょう。その上で、地方銀行や高配当銘柄へ投資対象を広げる方法も一つの選択肢です。

まとめ

銀行関連銘柄は、日本銀行の金融政策正常化や企業の資金需要の回復、株主還元の強化などを背景に、中長期で注目されるテーマの一つです。一方で、銀行によって事業内容や収益構造、成長戦略は大きく異なるため、「銀行株だから」という理由だけで投資判断をすることはおすすめできません。

2026年の銀行株は、中長期では検討余地があるものの、すでに上昇している銘柄も多く、今後も一律に上がるとは限りません。銀行株がまだ上がるかを判断する際は、追加利上げだけでなく、貸出残高、預貸金利ざや、貸倒費用、ROE、PBR、株主還元を確認することが大切です。

投資を検討する際は、業績や決算資料、株主還元方針、中期経営計画なども確認し、自身の投資目的に合った銘柄を選ぶことが大切です。本記事が銀行関連銘柄への理解を深め、ご自身に合った投資判断を行うきっかけとなれば幸いです。

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執筆者情報

nari

大畠 典仁

日本投資機構株式会社 アナリスト

準大手の証券会社にて資産運用のアドバイザーを務めた後、日本株主力の投資顧問会社の支店長となる。現在は日本投資機構株式会社の筆頭アナリストとして多くのお客様に株式投資の助言を行いつつ、YouTubeチャンネルにも積極的に出演しており、資産運用の重要さを発信している。

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