高市早苗氏が日本初の女性首相に就任しました。
経済安全保障、防衛、AI政策など、国の成長戦略を担う分野が一斉に動き出します。
「高市銘柄」と呼ばれる関連株は、政策ドライバーの復権で再び注目を集めており、投資テーマとしての注目度が急上昇中です。
本稿では、高市政権が描く政策の方向性と、経済安保・通信・AI・防衛分野での注目企業をわかりやすく解説します。
高市銘柄とは?政策連動型テーマ株の代表格

高市銘柄とは、高市早苗氏が推進・提唱する政策に関連する企業群を指します。
単なる政治関連株ではなく、国策テーマと民間の持つ最新技術が重なる領域で活躍する企業群であり、経済安保・通信・AI・防衛などに関する幅広い銘柄が注目されています。
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政策が株式市場の一大テーマに
政治家の政策方針が成長戦略として具体的に提示されると、投資資金はその関連企業に集まりやすくなります。
高市氏の場合、「国家の独立性を支える経済基盤の強化」を一貫した軸として掲げており、エネルギー・通信・半導体などの自立型産業を重視してきました。
高市銘柄は2021年の総裁選でも活況に
2021年の自民党総裁選では、高市早苗氏の出馬をきっかけに「高市銘柄」という言葉がSNSや投資家コミュニティで注目されました。
防衛、経済安全保障、デジタル政策が同時に意識され、NEC、富士通、ソニーグループなどの株価が短期的に上昇。
政策テーマが市場心理を動かした実例として、今も投資家の記憶に残る局面です。
経済安全保障と高市銘柄|半導体・素材が中核に

高市氏の政策の柱は、サプライチェーンの自立化、国内生産の回帰、そして技術流出の防止といった経済安全保障です。
これによって半導体や素材などの産業が恩恵を受けるとみられます。
半導体の国産化は国策の最前線
日本政府は兆円規模の半導体支援を継続中です。
TSMCの熊本工場(JASM)への支援は累計1.2兆円超、ラピダスへの大型補助金も実行・計画されています。
関連銘柄では、SCREENホールディングス、東京エレクトロン、SUMCOなどが恩恵を受けています。
半導体支援は、高市氏が主張してきた「経済安保の基礎インフラ整備」と軌を一にするため、今後も関連銘柄が恩恵を受け続ける可能性が高いでしょう。
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素材・装置産業にも恩恵広がる
レアアース代替材や、半導体の製造に不可欠なフォトレジスト材料などは、国際的な供給途絶のリスクが高いため、経済安全保障を考える上で極めて重要です。
この分野においては、JSR、信越化学、日東電工といった日本企業が、高い技術的優位性を発揮しています。
これらの企業は、日本政府が進めるサプライチェーン(供給網)を安定させるための多角化支援と歩調を合わせる形で、株式市場からも経済安全保障に貢献する中核企業として再評価されています。
通信・放送改革で注目されるデジタルインフラ株

高市氏が総務大臣時代から一貫して主張してきたのが「通信・放送の自由化と透明性」です。
NTT法の見直しや、周波数の配分からオークションへの転換議論など、通信政策改革が具体的な投資テーマとして浮上してきました。
NTT法見直しのインパクト
2024年の改正NTT法では、NTTに課されていた研究成果の開示義務が撤廃され、海外人材の登用要件など一部規制も緩和されました。
結果として、機密度の高い研究を抱える光通信・半導体・AI領域でのパートナー連携や事業展開の自由度が上がり、グローバル競争力の底上げが期待されています。
関連銘柄はNTT、KDDI、ソフトバンクグループ、住友電工などで、政策報道を受けて株価が動く場面が見られています。
なお、2025年には電気通信事業法とNTT法の一部改正も成立し、NTTの保有資産の公共性や公正競争の確保について改めて整理が進んでいます。
今後の制度設計の行方次第で、さらにこの分野への注目度が高まる余地があるでしょう。
地方創生でも通信インフラ、DX銘柄に注目
地方創生分野で、高市氏は物価高や地域課題にあわせて自治体が柔軟に使える「重点支援交付金」などを拡充し、地域経済の下支えと自立を促す方針です。
観光などのにぎわい創出だけでなく、防災・エネルギー・インフラ等の強靭化分野へ用途を厚く配分していく見通しです。
また、総務相時代の高市氏は、通信インフラの拡充を地方のデジタル実装・情報アクセス格差の縮小とセットで語ってきました。
遠隔医療などの技術を積極的に活用する方針で、自治体DX、通信インフラ更新、データセンター分散化などが進み、富士通、NEC、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)などが恩恵を受けるとみられます。
高市銘柄の核心|防衛×宇宙×サイバーで広がる成長軸

高市氏は経済安全保障を、防衛産業の強化と位置づけて、防衛・宇宙開発・サイバー安全保障を日本経済の新たな柱として育てるべきだと訴えてきました。
政府全体でも国家安全保障戦略で防衛力の抜本強化と宇宙・サイバー能力の重点整備が明記されており、防衛費を引き上げる方針が示されています。
今後も、ミサイル・無人機・衛星・サイバー防衛といった領域への投資が継続的に拡大する見通しです。
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防衛産業の拡大と株式市場への波及
2024年度防衛費は約7.95兆円と過去最大。
高市氏が掲げる「装備の国産化・内製化」を追い風に、主契約企業の三菱重工、IHI、川崎重工の収益機会が広がっています。
あわせて、再編・強靭化が進むサプライチェーンでは、素材・部材・精密加工の内製比率が高まるため、島津製作所、住友電工、日本製鋼所といった周辺企業にも資金が波及。
ミサイル関連、無人機、艦艇・潜水艦、エンジン・タービン、センサー・計測系など、案件のすそ野が広い点がテーマ買いを継続させる要因となっています。
宇宙・サイバー領域の拡張
高市氏が経済安保担当相時代に強調したのが「宇宙・サイバーを含む包括的な防衛システム」。
これにより、宇宙通信(スカパーJSAT)、準天頂衛星システム(QZSS)を活用した測位・時刻同期、防衛通信インフラ(NEC・富士通)などで政策支援や案件創出が進んでいます。
宇宙輸送関連では三井海洋開発やIHIエアロスペースが再注目され、次世代防衛インフラとしての期待が高まっています。
AI・量子技術・国産インフラの高市銘柄

高市氏はAI(人工知能)と量子技術を「国家競争力の要」と位置づけ、倫理ルールの整備と産業実装を同時並行で進めるべきだと主張してきました。
今後10年は、国策の後押しを受けて、研究から事業化・社会実装への移行が加速しやすいフェーズです。
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国策AIで動く高市銘柄
生成AIの社会実装が進むなか、ソニーグループ、富士通、日立製作所、ブレインパッドなどが業務最適化・MLOps・公共向け案件で存在感を拡大しています。
また、半導体分野ではエッジ/車載を含むAI処理でルネサスエレクトロニクスが国産基盤の要として注目度を高めている状況です。
他にも、生成AIの運用基盤となるデータセンター/ネットワークの国内整備の加速による、KDDIとNTTデータなどの安定成長が期待されます。
量子技術・サイバー分野の高市銘柄
量子暗号通信・量子計算ではNEC、富士通、東芝が研究を主導。
政府が掲げる「量子未来社会ビジョン」(内閣府, 2024)に沿って産学官連携が進展しています。
同時に、政府が進める能動的サイバー防御の方針は、ゼロトラスト運用や量子耐性暗号、監視・自動検知の需要を底上げし、サイバートラストといった実装プレイヤーのテーマ性を高めています。
筆者の視点で振り返る政策相場|アベノミクスが生んだ利益と学び

政権交代がもたらす相場の熱気を、筆者はこれまで何度も体感してきました。
特に印象的だったのは、2012年末に始まったアベノミクス相場です。
当時「デフレ脱却」「公共投資拡大」といった政策期待が市場を席巻し、建設・防衛関連株が連日上昇しました。
筆者が担当していた顧客の中にも、早期にゼネコン株を仕込み、大きな利益を得た方が多く、政策が株を動かすという市場の本質を肌で感じた時期でした。
政治の変化による期待が株価を押し上げる
政治が変わると、まず変わるのは「期待」です。
この期待が企業業績を先取りし、やがて株価に反映されていきます。
実際、2013年前半には大成建設や清水建設などが数週間で20%を超える上昇を見せ、投資家心理は一気に政策相場モードへと傾きました。
筆者もその流れに合わせて顧客のポートフォリオを政策関連株中心に再構築し、数カ月で利益を確定していただけました。
「政策テーマを読む力が成果を左右する」という確信を得た瞬間でもあります。
高市銘柄に見る「政策が市場を動かす再現性」
この経験を踏まえると、現在注目される「高市銘柄」も同じ構造を持つと考えます。
経済安全保障、通信、防衛、AIなど、国家戦略と直結する領域では、政策方針が具体化した瞬間に市場の資金が動き出します。
市場は常に未来を先取りする存在であり、その本質は今も変わりません。
筆者としては、政策発信力の高い高市早苗首相の誕生によって、再び「政策連動型の資金流入」が起こる可能性が高いと見ています。
過去のアベノミクス相場と同様、テーマの構造を早期に理解した投資家こそ、次の上昇波の主役になれるでしょう。
高市銘柄の中核テーマを担う銘柄を紹介

高市政権の政策テーマは「経済安全保障」「通信」「AI」「防衛」が中核を占めます。
これらの領域で政策の恩恵を強く受ける本命銘柄を紹介します。
日本電気(NEC)(6701)高市銘柄の代表格!

【6701】NEC 週足チャート 2023年1月10日~2025年10月21日
※TradingViewより引用
NECは防衛・通信・サイバーセキュリティの3領域を担う高市銘柄の代表格です。
政府の経済安保方針において、防衛通信インフラと量子暗号技術の両面で中核を担っています。
特に防衛省との共同研究による「次世代レーダー通信」や、国内初の量子暗号通信ネットワーク実証(2024年・内閣府SIP計画)は、国家プロジェクトそのものです。
AI分析やクラウド防衛網の統合も進んでおり、国策・AI・通信の交点に位置する企業として評価されています。
株価は2023年から緩やかな上昇トレンドを維持し、国策テーマが本格化する局面では政策相場の主役候補として再評価が進む余地があります。
日立製作所(6501)防衛×インフラ×AIの複合テーマ

【6501】日立製作所 週足チャート 2023年1月10日~2025年10月21日
※TradingViewより引用
日立製作所は防衛×インフラ×AIで構成される複合テーマ株として、高市銘柄の中でも安定感のある本命株です。
AIを活用した防衛装備・次世代レーダー開発に加え、電力・交通・ITインフラ分野ではエネルギー安全保障政策を追い風とする期待ができます。
高市氏が推進する「技術主権の確立」「国内供給網強化」の文脈において、日立の研究開発力と産学連携体制は高く評価されています。
また、日立Astemo(自動運転システム)などAI関連事業の収益化も進み、株価も防衛・エネルギー両テーマに支えられ堅調。
短期の話題性と安定した収益基盤を兼ね備えた王道本命銘柄といえます。
その他の注目高市銘柄
銘柄名 | 市場 | 企業概要 |
【9412】スカパーJSATホールディングス | 東証プライム | 通信衛星17機以上を保有する日本唯一の商用衛星オペレーター。高市氏が推進してきた宇宙安全保障や宇宙利用拡大方針とリンクしやすく、災害通信・防衛通信インフラとしても政策テーマに合致しています。 |
【3741】セック | 東証プライム | JAXAや防衛省向けに衛星・宇宙探査機・ミサイル制御ソフトなどを提供。小型だが高い技術力で知られ、高市氏が掲げる「日本の技術力保護」や「宇宙技術自立」路線と合致しています。 |
【2326】デジタルアーツ | 東証プライム | 文科省・自治体など公的機関での導入実績が豊富なWebセキュリティ分野の国産リーダー。外資系ソフトに対抗する形で国産IT保護の流れに乗る構造的テーマ株。高市トレードでは定番中の定番です。 |
【7003】三井E&S | 東証プライム | 旧三井造船。防衛装備庁向けに艦船用エンジンや護衛艦支援装置を納入。高市氏の「防衛費増額」「海洋安全保障強化」発言が出ると連動して物色されることが多く、政策連動性の高い実力派中堅株です。 |
【5133】テリロジーホールディングス | 東証スタンダード | 海外製のセキュリティ機器・ソフトを国内企業や自治体向けに提供し、政府・防衛向けの提案力も強化中。サイバー防衛×政策連動で短期資金が流れやすい小型株として、高市トレードとの親和性が高いです。 |
高市銘柄の投資戦略|短期と中長期の狙い目を紹介

高市銘柄は「ニュースで一気に動く短期」と「実際の収益拡大で伸びる中長期」の2本立てで考えるのがコツです。
短期ではニュースの“鮮度”、中長期では政策の“継続性”を見極めることがポイントです。
短期では政策発表などのイベントに注目!
短期では、とにかく新しい発表の直後が勝負どころです。
総裁選・内閣改造・所信表明、予算案や法案の提出・可決、担当相の会見や審議会資料の公開など、日付が読めるイベントをあらかじめピックアップしておきましょう。
具体的な政策については、新聞の観測記事→正式発表→関連企業の受注・入札・提携といった順に情報が出てくる可能性が高いです。
そのため、政策発表を手がかりとして利益を狙うには、以下のような手順での売買が有効だと思います。
①新しい政策に関する観測記事が出たら関連銘柄一覧をリストアップして、値動きをチェックする。焦って飛びつかずに押し目買いを狙う。
②正式発表が出たタイミングで、ニュースの内容と合う銘柄に絞ってポジションを整理する。
③受注・入札・提携等が具体的に出てきたら、好材料出尽くしで株価が弱くなる可能性を考慮して、利益確定を進める。
中長期では実需拡大に連動する企業を探そう
中長期では、続くかどうかが非常に重要です。
経済安保・通信・防衛・AI・宇宙は一過性ではなく、制度や予算で支えられる分野なので、政策が各企業の需要増加につながっているかを数字で確認します。
見るポイントは、受注残(積み上がっているか)、長期契約の比率(何年契約か)、利益率などです。
データセンター関連は稼働率や受電容量、セキュリティやSaaSはARRや解約率、半導体はデザインイン数と量産の開始時期、防衛は年度ごとの発注と工程進捗などに注目してみましょう。
入札競合や仕様変更、納期遅れ、電力・為替などのリスクはつきものなので、同じテーマの上流と下流を組み合わせる(例:AI半導体とデータセンター事業者、防衛プライムと部材メーカー)とブレにくくなります。
まとめ|中長期でも有望な高市銘柄に乗れ!

政策一つで、特定の産業に追い風が吹き、株式市場でも収益拡大に期待した物色が広がります。
特に、高市氏が掲げる経済安全保障や防衛力強化、AI・量子技術の推進は、国家の競争力を再構築する長期戦略として期待されています。
短期のテーマ投資に留まらず、国策を追い風として日本の成長を担う企業に中長期で投資を行う視点を持つのが良いでしょう。
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執筆者情報
本部長
準大手の証券会社にて資産運用のアドバイザーを務めた後、日本株主力の投資顧問会社の支店長となる。現在は日本投資機構株式会社の筆頭アナリストとして多くのお客様に株式投資の助言を行いつつ、YouTubeチャンネルにも積極的に出演しており、資産運用の重要さを発信している。