再生可能エネルギー関連銘柄【2026年版】|太陽光・風力・バイオマス・蓄電池株を比較

日本投資機構 編集部

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再生可能エネルギー関連銘柄【2026年版】|太陽光・風力・バイオマス・蓄電池株を比較

再生可能エネルギー関連株は、同じテーマに見えても利益の出方が大きく異なります。発電所を持つ会社、設備を建設する会社、電力を調達して販売する会社では、政策変更や金利上昇の影響も同じではありません。

本記事では2026年8月3日時点の政策と決算を基に、代表的な6社を比較します。太陽光、風力、バイオマス、蓄電池へ投資する際の確認点も整理しました。

目次

再生可能エネルギーとは|発電方式で収益構造が変わる

再生可能エネルギーの発電設備

再生可能エネルギーは、太陽光や風力、水力、地熱、バイオマスなど、自然界で繰り返し得られる資源を利用するエネルギーです。

投資先を比べる際は発電容量の大きさだけでなく、誰に電気を売るのか、燃料費が発生するのか、建設から売上計上まで何年かかるのかを分けて見ます。設備の販売と発電所の長期運営では、同じ導入拡大でも業績へ表れる時期が違うためです。発電方式と事業の役割を切り分ければ、決算数字の背景も読みやすくなります。

太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスが主な発電方式

太陽光は比較的短い期間で設置でき、屋根、自家消費、PPAなど用途を広げやすい方式です。風力は大型化で発電量を伸ばせる反面、風況調査や許認可、海上工事に長い時間を要します。

水力と地熱は天候による変動が相対的に小さい一方、適地が限られます。バイオマスは出力を調整しやすいものの、木質燃料の価格、為替、輸送費、定期修繕が利益を左右します。各方式の弱点が異なるため、設備容量だけの比較では収益性を判断できません。

太陽光の発電所運営、PPA、設備企業を銘柄ごとに比べたい方は、太陽光発電関連銘柄の記事で詳しく確認できます。

発電所運営と設備・系統支援では利益が出る時期が違う

発電所の開発会社は、用地取得、系統接続、建設を経て運転を始め、売電収入を長期で回収します。建設中は支出が先行しやすく、稼働開始後は減価償却費と金融費用が重くなります。

一方、設備施工や蓄電池販売は、案件の引き渡し時期に売上と利益がまとまる傾向があります。小売やPPAは販売量だけでなく、電力の調達価格と販売単価の差が採算を決めます。四半期の増減だけでなく、受注残と稼働資産を一緒に見る姿勢が有効です。継続して追います。

再生可能エネルギー関連6銘柄を事業構造別に比較

再生可能エネルギー関連銘柄の比較

比較する6社は、再エネ事業の比重が高いレノバ、ウエストホールディングス、イーレックス、エフオンと、事業を分散するJ-POWER、オリックスです。

専業に近い会社ほど政策や案件進捗が株価へ響きやすく、分散型は他事業が変動を和らげます。直近の増減率だけで順位を付けず、利益を生む事業、一時的な評価益、翌期へ持ち越した案件を切り分ける必要があります。まず各社の立ち位置と、次の決算で追う数字を一覧にしました。

銘柄主な位置付け2026年8月3日時点の確認点
レノバ
(9519)
再エネ発電所の開発・運営バイオマス稼働、蓄電所の開発、EBITDA
ウエストHD
(1407)
太陽光施工・非FIT・蓄電池案件引き渡し時期、蓄電池部門の利益
イーレックス
(9517)
電力小売・燃料・バイオマス一時要因、海外案件、翌期予想の非開示
エフオン
(9514)
木質バイオマス発電燃料調達、修繕費、評価益を除く本業利益
J-POWER
(9513)
水力・風力・地熱を含む総合電源出水率、火力・海外事業を含む全社収益
オリックス
(8591)
国内外再エネを含む分散投資資産売却益、環境エネルギー部門の寄与

レノバ・ウエストHD|非FIT太陽光と蓄電池が成長軸

レノバの2026年3月期は売上高876億円、EBITDA305億円、営業利益82億円で、いずれも前期を上回りました。バイオマス7発電所、合計445MWの運営に加え、安来の蓄電所が2026年4月に運転を始めています。

ウエストHDの2026年8月期第3四半期累計は売上高293億円、営業利益46億円でした。再エネ施工だけでなく、非FIT太陽光と系統用蓄電所へ利益源を移せるかが焦点です。両社とも、開発案件の容量より稼働と引き渡しの時期を追う必要があります。

イーレックス・エフオン|燃料調達と修繕費が利益を左右

イーレックスの2026年3月期は売上高1,691億円、営業利益75億円でした。小売と燃料の拡大に加え、海外バイオマスと蓄電池の収益化が次の焦点です。ただし翌期予想は不透明感を理由に未開示でした。

エフオンの2026年6月期第3四半期累計は売上高146億円、営業利益8億円です。経常利益31億円にはデリバティブ評価益の影響が大きく、本業を見るなら営業利益を優先します。燃料構成と修繕日程の変化も、次の四半期利益を読む手掛かりです。

J-POWER・オリックス|事業分散で収益変動を抑える

J-POWERは水力、風力、地熱、太陽光を持つ一方、火力、海外、送変電も担います。2026年3月期の再エネ販売電力量は98億kWhで、水力の出水率低下から前期比2.6%減でした。

2027年3月期第1四半期は売上高2,802億円、営業利益362億円です。オリックスでは環境エネルギーが10セグメントの一つで、2026年3月期の全社純利益は4,473億円です。海外再エネ資産の売却・再評価も寄与したため、純粋な再エネ株ではなく、資金力と分散効果を比べる対象です。再エネ単独の伸びが全社利益へ与える影響は、専業株より小さくなります。

再エネ4~5割へ|太陽光はFIT依存から転換する

太陽光発電と再生可能エネルギー政策

第7次エネルギー基本計画は、電力需要の増加を見据え、脱炭素電源を最大限活用する方針を示しました。ただし、再エネ比率の上昇が関連企業の増益を保証するわけではありません。

固定価格で買い取る制度に頼る開発から、需要家へ直接売るPPA、自家消費、蓄電池を組み合わせた運用へ重心が移ります。制度目標と各社の受注、稼働、回収期間をつないで読める銘柄が選択肢になります。政策の方向と企業の稼ぎ方が一致しているかを確かめましょう。

2040年度の再エネ比率は4~5割まで上がる見通し

政府が2025年2月に閣議決定した第7次エネルギー基本計画では、2040年度の電源構成に占める再エネを4~5割程度と見込みます。2023年度の22.9%から大きく引き上げる方向です。

太陽光だけに偏らず、風力、水力、地熱、バイオマスを組み合わせ、系統を増強する必要があります。発電設備の新設に加え、需給調整や保守、蓄電池へ投資機会が広がります。導入量と同時に、電気を無駄なく届ける仕組みへの需要も増えます。

太陽光は78.0GW導入済みで2030年目標との差が残る

資源エネルギー庁の資料では、太陽光の導入量は2025年12月末で78.0GWです。2030年度に掲げる103.5~117.6GWには届かず、追加導入の余地が残ります。

一方、平地面積当たりの導入量が主要国でも高い日本では、安い土地へ大型設備を並べる手法だけでは伸ばしにくくなりました。工場や倉庫の屋根、駐車場、既存発電所の更新など、用地制約に対応できる企業を見ます。施工単価だけでなく、設置後の保守収入も比較材料になります。

土地制約を補う技術として、軽量で曲げられるペロブスカイト太陽電池の量産時期と関連企業も確認しておきましょう。

2027年度以降は屋根設置・PPA・蓄電池へ軸足が移る

2027年度以降、地上設置の事業用太陽光は一部を除き、新規FIT・FIP認定の対象から原則外れる方針です。今後は屋根設置への支援、自家消費、企業向けPPA、電力価格が安い時間帯に充電する蓄電池が中心になります。

売電単価の高さに依存する会社より、需要家の電気代削減、系統の混雑緩和、施工後の運用まで一体で提案できる会社の方が、政策転換へ対応しやすいでしょう。契約期間と電力調達方法まで比べると、採算の差が見えます。

ペロブスカイト太陽電池の原料供給まで追う場合は、国産比率の高いヨウ素と関連企業を別記事で比較しています。

洋上風力・バイオマス・水力は採算条件が異なる

洋上風力とバイオマスなどの発電方式

太陽光以外の再エネは、発電が安定しやすい方式もありますが、準備期間やコスト構造に別の難しさがあります。洋上風力は資材と船舶、バイオマスは燃料、水力と地熱は適地と許認可が採算を決めます。

「再エネ市場が伸びる」という大枠だけで評価せず、運転開始までの期間、価格転嫁の仕組み、撤退時の損失を確認します。方式ごとの弱点を埋める契約や財務余力があるかが分かれ目です。方式別の採算条件を三つに分け、この差を銘柄比較へ反映します。

洋上風力|撤退を受け公募制度は事業完遂重視へ転換

三菱商事などの企業連合は2025年8月、建設費が入札時の想定を2倍以上上回ったとして、国内3海域の洋上風力事業から撤退しました。政府は2026年6月に公募占用指針を改訂し、価格だけでなく事業の実現可能性や完遂力を重視する方向へ動いています。

設備容量の大きさより、調達価格の変動を吸収できる契約、施工会社の確保、金融費用を含む採算管理を見ます。落札の実績より、期限内に完成できる体制が評価の中心です。入札時の採算を見直した形跡も確認します。

バイオマス|燃料調達・為替・修繕費が採算を左右

バイオマス発電は天候に左右されにくく、一定の出力で運転しやすい点が強みです。その半面、木質ペレットやチップを継続的に調達するため、燃料価格、為替、海上運賃が売上原価へ響きます。

発電所の定期修繕や停止期間も四半期利益を動かします。輸入燃料への依存度、国内材の確保、長期契約の条件、発電効率を比べると、同じ発電量でも利益が残る会社と残りにくい会社を区別できます。燃料在庫の日数も安定操業を測る材料です。四半期ごとに確認します。

水力・地熱|安定稼働の反面で開発期間が長い

水力と地熱は、太陽光や風力より出力が安定しやすく、長期運転に向く電源です。既存水力は設備更新で効率を高める余地もあります。ただし、新規開発では地質調査、河川利用、環境影響評価、地域との合意に長い期間を要します。

水力は降水量、地熱は地下資源の状態も発電量へ影響します。開発案件の数だけでなく、既に稼働する資産の比率と修繕計画を確認します。既存設備の更新投資は、新設より早く利益へつながる場合があります。

本命株はテーマ純度と本業利益の再現性で選ぶ

再生可能エネルギー株の選び方

再エネ関連株の本命は、誰にとっても同じ一社ではありません。政策や大型案件の進展を強く反映する値動きを求めるなら専業に近い会社、変動を抑えながら長期保有するなら分散型が候補になります。

どちらを選ぶ場合も、最終利益の増減だけでは不十分です。営業利益、EBITDA、営業キャッシュフロー、有利子負債、運転開始予定を並べ、本業から継続して現金を生み出せるかを確かめます。数字の確認順を決めると、材料に振り回されにくくなります。

専業株と分散型企業|再エネ事業の業績感応度を比べる

レノバやエフオンのように再エネの比重が高い会社は、発電所の稼働や停止、制度変更が全社利益へ直結しやすい特徴があります。成長が数字に表れやすい反面、一案件の遅れも大きく響きます。

J-POWERやオリックスは、火力、送変電、金融、不動産など別の収益源を持ちます。再エネ拡大の恩恵は薄まりやすいものの、資金調達力と分散効果が下支えします。自分が許容できる値動きの幅から、専業株と分散型を選び分けます。保有期間が長いほど、事業分散の意味は大きくなります。

営業利益とEBITDA|評価益・売却益を分けて確認する

発電所を多く持つ会社は減価償却費が大きいため、設備の稼ぐ力を見る指標としてEBITDAが使われます。ただし、EBITDAが増えても支払利息や税金、設備更新の支出は残ります。

営業利益と合わせて確認してください。デリバティブ評価益、資産売却益、持分再評価益で経常利益や純利益が増えた期は、翌期に同じ利益が出るとは限りません。一時要因を除いた本業利益の方向が銘柄比較の土台です。前年同期との比較では、同じ一時要因があったかも確かめます。

営業CF・有利子負債・案件進捗|成長投資の持続力を測る

大型発電所や蓄電所は、稼働前に用地、機器、工事へ資金を投じます。営業キャッシュフローが安定し、有利子負債の返済と次の投資を両立できるかを確認します。

案件一覧では容量だけでなく、系統接続、着工、運転開始の段階を見ます。計画中の容量を全て将来利益へ置き換えるのは早計です。決算のたびに予定日、投資額、出資比率が変わっていないか追うと、成長計画の確度を判断しやすくなります。完成後の持分比率が低ければ、利益への寄与も限定されます。

再エネ株は政策・金利・工期遅延のリスクに注意

再生可能エネルギー投資のリスク

国の導入目標が高くても、個別企業の投資採算は制度、金利、資材価格、工期で変わります。固定価格の買い取り、補助金、入札条件が変われば、以前の前提で組んだ案件の価値も変わります。

借入比率が高い大型案件では、わずかな金利上昇でも長期の利益を圧迫します。好材料の発表時ほど、運転開始までに残る手続き、追加費用を負担する主体、収入が始まる時期を確認してください。三つの代表的なリスクを整理します。発表資料と決算を照合しましょう。

制度変更・出力制御|売電収入の前提が変わる

FITやFIPの対象、入札上限価格、補助金の条件は年度ごとに変わります。また、発電量が需要や送電容量を上回る時間帯には、電力会社が出力を抑える出力制御が実施されます。

設備が発電できても、全量を想定単価で売れるとは限りません。地域別の制御実績、優先給電ルール、蓄電池の有無を確認します。政策の後押しは成長材料ですが、売電収入の前提を固定しない姿勢が必要です。制御率が上がれば、想定稼働率とのずれも広がります。

出力制御で余った電力をためる系統用蓄電池の事業モデルと関連企業は、蓄電池関連銘柄の記事で掘り下げています。

資材高・金利上昇|大型案件ほど採算がぶれやすい

風車、太陽光パネル、蓄電池、送電設備は、原材料価格、為替、輸送費、関税の影響を受けます。見積もりから着工までが長い大型案件ほど、契約後のコスト上昇が利益を削りやすくなります。

さらに、建設期間中の借入金利が上がれば、運転開始前から金融費用が増えます。工事価格を固定できているか、追加費用を発注者と施工者のどちらが負担するか、資金調達が確定しているかを見ます。自己資本の厚さも、追加負担への耐性を左右します。

認可・系統接続・地域合意|運転開始の遅れが株価材料になる

再エネ案件は、環境影響評価、各種許認可、送電網への接続、地域との合意を経て進みます。一つの手続きが遅れると、売電開始が後ろ倒しになり、建設費と金利負担が増えます。

企業の発表で「開発中」と記されていても、用地確保だけの段階と着工済みでは確度が違います。運転開始予定の変更理由、違約金、引き渡し条件まで確認すると、延期が一時的か、採算悪化につながるのかを見分けやすくなります。地域説明の進み具合も公開資料で確認します。

まとめ|再エネ株は発電量より利益の残り方で選ぶ

日本の再エネ導入は2040年度へ向けて拡大する見通しですが、発電方式と事業モデルで採算は変わります。太陽光は非FIT、PPA、屋根設置、蓄電池へ移行し、洋上風力は建設費と事業完遂力、バイオマスは燃料調達、水力と地熱は開発期間が焦点です。

市場規模の予測だけで投資先を決めず、各社が発電、施工、小売、系統支援のどこで利益を得るのかを見てください。同じ再エネ関連でも、制度変更を追い風に変えられる会社と、既存案件の採算悪化を受ける会社に分かれます。

銘柄選びでは、専業に近い会社の成長感応度と、分散型企業の安定性を分けて考えます。売上高や最終利益だけで判断せず、営業利益、EBITDA、営業キャッシュフロー、一時的な評価益、有利子負債を並べると、本業の強さが見えます。

決算発表では、案件容量より運転開始の段階、工期変更、投資額、資金調達条件を追ってください。政策目標が追い風でも、出力制御、系統接続、金利、資材価格の上昇で利益はぶれます。自分が許容できる値動きと投資期間を決め、複数社を比較してから判断しましょう。

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執筆者情報

nari

日本投資機構 編集部

日本投資機構株式会社

INVEST LEADERSを運営する顧問投資会社「日本投資機構株式会社」の代表取締役を含めたスタッフ及びサポートアナリストの記事を掲載しています。株式投資や金融に纏わる話題は勿論のこと、読者の暮らしや生活を豊かにするトピックスや情報を共有していきます。

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