テンバガーを東証プライムで掴め!収益・株価を大幅に伸ばす銘柄の特徴と候補銘柄を紹介

テンバガーを 東証プライムで掴め! 収益・株価を大幅に伸ばす 銘柄の特徴と 候補銘柄を紹介

テンバガー(株価10倍)は、投資家なら誰もが一度は夢見る目標です。
東証プライム市場でも過去10年の間に、株価が何倍にも上昇した企業が数多く誕生してきました。

比較的企業規模が大きい企業が上場している東証プライム市場では、収益拡大とともに安定的に上値を伸ばし、テンバガー(株価10倍)を達成する銘柄が多い傾向があります。
特に、AI、半導体、再生可能エネルギー、防衛関連といった国策テーマと技術革新が重なるとき、収益と株価が大きく伸びやすいです。

本記事では、過去の成功事例を振り返りながら、2026年に急騰が期待される東証プライム銘柄と注目すべきポイントを丁寧に解説します。

目次

東証プライムから生まれたテンバガー銘柄

成長企業は「時代の転換点」に現れ、業界構造の変化とともに株価も大きく上昇します。
過去にはどのような銘柄がテンバガー(株価10倍)を達成したのか、実例を見ていきましょう。

SHIFT(3697)DX推進・品質管理の需要増を先取り

※TradingViewより引用

SHIFTは、ソフトウェア開発における「品質保証(テスト)」という、これまで開発者が片手間にやっていた地味で巨大な市場を掘り起こしました。
欠陥がないかを厳しくチェックする「検査」を専門で請け負う会社と考えると分かりやすいでしょう。

売上高は2017年8月期の81億7,400万円から2023年8月期には880億3,000万円へと10.7倍になっています。
株価は成長性を織り込んで、2017年4月14日の安値61.1円から2023年12月27日の高値2406.1円まで、39.3倍の上昇を見せました

成長の背景には、日本中の企業がデジタル化(DX)を進めるなかでの、システム品質に対する要求の高まりがあります。
この要求の高まりに応えるために、SHIFTは多くのエンジニアを動員できる体制を素早く作り上げ、独自のテスト方法やルールで作業を標準化しました。
その結果、大きな案件の一括引き受けが可能となり、利益率を高めながらの収益規模拡大に成功しています。

エムスリー(2413)医療×ITの先駆者として市場をけん引

※TradingViewより引用

エムスリーは、日本の医師の約9割が登録する「m3.com」というサイトを手掛けています。
現在製薬会社は、このサイトを使わないと、ほとんどの医師に情報を届けられません。
つまり、エムスリーは製薬会社が使わざるを得ない、独占的な広告・マーケティングの場所を提供しているのです。

売上高は2016年3月期の646億6,000万円から2021年3月期には1,691億9,800万円へと拡大しました。
株価は2016年1月21日の安値1,023.5円から2021年1月8日の高値1万675円まで、10.4倍になっています

特に新型コロナの感染が拡大した時期の株価上昇率が大きくなっています。
これは、製薬会社の担当者による訪問営業が行えなくなったため、「m3.com」が製薬会社が医師に情報を提供するほぼ唯一の手段になるとの見方が広がったためです。
加えて、遠隔医療などの分野でさらに成長するとの期待も高まりました。

キーエンス(6861)FA(工場自動化)需要を取り込み成長

※TradingViewより引用

キーエンスは、工場の自動化に不可欠な高性能なセンサーや測定器を開発・販売するメーカーです。
驚くべきはその収益力で、営業利益率50%超を長期間維持しています。

売上高の成長も安定しており、2011年の約1,848億円から2025年3月期には1兆591億円へと拡大しました。
株価は2013年1月9日の安値5,878円から2021年9月14日の高値7万6,210円まで、12.9倍の上昇を達成しています

高収益と成長を支えるのが、独自の直販・提案営業モデルです。
社員が直接工場を訪れ、「お客様すら気づいていない困り事」を発見し、その課題を解決する世界にない高性能な製品を開発して提案します。
彼らの製品は「他では代用できない」機能を持つため、価格競争に巻き込まれず、高い値段を付けても売れるのです。
さらに、製品の製造は外部に任せる「ファブレス経営」の徹底で、設備投資や在庫を持つリスクを避け、経営資源を開発と営業に集中させています。

東証プライムにおけるテンバガー達成銘柄の共通点

先に挙げたSHIFT、エムスリー、キーエンスは、いずれも独自の戦略で市場を切り拓き、驚異的な成長を遂げました。
ここからは、これらの例から見えた、テンバガーを達成する東証プライムの銘柄の共通点を考えていきましょう。

共通点①:独占を生む参入障壁

テンバガーを達成する企業は、競合が容易に真似できない強力なポジションを確立しています。
これにより、価格競争から一歩抜け出し、安定的に高い収益を上げられます

例えば、エムスリーは日本の医師の約9割が登録する独占的なネットワークを持っています。
キーエンスは、顧客の課題を直接把握する直販モデルと他社で代替できない高性能な製品で技術面・販売面の障壁を築いています。
また、SHIFTは未開拓だった品質保証市場で、独自のテスト方法や大量動員体制によって実務的な障壁を築き、巨大な需要を囲い込みました。

共通点②:超高収益モデルの確立

株価の上昇、すなわち企業価値の評価を高めるためには、売上高の伸びに加えて、利益率の高さが重要です。

キーエンスは、製造を外部委託するファブレス経営により、営業利益率50%超を長期にわたり維持し続けています。
エムスリーは、追加コストがかかりにくいデジタルプラットフォームを基盤としているため、売上が増えるほど利益が手元に残りやすく、高い利益率を維持しています。
また、SHIFTはサービスの標準化・効率化によって、労働集約型でありながら規模が拡大するほど利益率が改善し、売上以上の利益成長を実現しました。

このような桁違いの利益創出能力が、投資家の評価を飛躍的に高め、テンバガー達成へと導いたのです。

共通点③:市場の構造的な追い風

テンバガーを達成した企業は、景気変動に関わらず長期的に続くと考えられる社会の大きな潮流を事業の土台としています。

SHIFTやエムスリーは、企業や医療機関におけるデジタル化(DX)推進トレンドを正面から捉えました。
キーエンスも、工場での「自動化(FA)・省人化」投資という、構造的な需要拡大を追い風としています。
長期トレンドを捉えているため、一時的な景気の落ち込みがあっても、売上高が持続的に伸びているのです。

テンバガー候補が続出する2026年注目テーマ

東証プライムのテンバガー候補銘柄を探す上では、市場の構造的な追い風を受けている企業をまず探して、それから、参入障壁や利益率をチェックするのが良いでしょう。
そこで、今後どのような企業が追い風を受けそうかも考えておきましょう。

AI、再生可能エネルギー、防衛といった分野は、これまでも成長性が評価されてきました。
しかし、多くの企業にとって本格的な需要拡大局面はこれからになるとみられます。
話題性だけでの物色は一段落し、関心の中心は基盤技術、制御システム、応用領域といった支える側へと移っていくでしょう。

短期的な材料に惑わされず、企業の長期的な成長軌道を見極める視点が重要となります。
筆者は特に、AIインフラとスマート防衛技術を軸とした企業群に、長期的な成長ポテンシャルを感じています。

また、政府の支援が入る領域には資金が集まりやすいため、国策テーマ株も押さえておきたいです。

東証プライムのテンバガー候補銘柄を紹介

エムスリー、キーエンス、SHIFTといった過去のテンバガー達成企業を分析すると、「独占を生む参入障壁」「超高収益モデルの確率」「市場の構造的な追い風」という3つの共通点が浮かび上がってきます。
これらの原則に合致する要素を強く持っており、今後の大きな成長が期待できる候補銘柄を紹介します。

オムロン(6645)事業ポートフォリオ改革に注目

オムロンは、独自のセンシング技術と制御システムの融合で、医療と産業の両分野を支えるソリューション企業です。

FA(ファクトリーオートメーション)制御機器において、幅広い製品群を統合する技術力と長年培ったグローバルな販売網を独占的な武器としています。
機器供給者ではなく工場の進化を提案するソリューションプロバイダーとして顧客の囲い込みにも成功しています。

また、人手不足と品質向上を背景とした自動化・省人化トレンドという追い風も受けています。
加えて、ヘルスケア事業では予防医療という別の長期トレンドも捉えています。

さらに近年は、収益性の低い事業を整理し、高収益なコア事業への集中を進める事業ポートフォリオ改革を推進中です。
改革が実を結び、売上増加以上に利益が伸びる体質へと転換できれば、企業価値の向上と株価の飛躍につながる可能性を秘めています。

東京精密(7729)半導体後工程と計測技術の隠れた主役

東京精密は、半導体製造装置の中でも後工程にあたる検査・計測装置の分野で、世界的に高い存在感を持つ企業です。

半導体の製造工程で不可欠な精密計測・検査装置やウェーハ切断装置(ダイシングソー)といった分野で、世界的にトップシェアを誇る製品を有しています。
高度な技術的参入障壁によって、技術的な独占状態に近い優位性を築いていると言えるでしょう。

現在は、AIチップや次世代メモリ向けの微細加工が進むなかで、測定精度の高さが競争力を左右する局面に入り、同社の技術優位性が再注目されています。

さらに、半導体製造装置業界は、需要期に投資が集中するため景気が上向いた際の利益の伸びが非常に急激です。
2026年以降は、国内外での半導体投資拡大とともに、装置更新需要が増加する見通しであるため、利益の加速が期待されます。

アズビル(6845)安定収益を基盤に省エネ需要を取り込む

アズビルはビルオートメーション分野で国内首位級の地位を持ち、環境効率化と省エネ制御技術において世界的な評価を得ています。

ビルや工場の管理システム全体を一括で手掛けるソリューション力が独占的な武器となっています。
一度システムが導入されると、長期的な保守・改修契約が結ばれるため、スイッチングコストが極めて高く、安定的な収益(ストック型ビジネス)につながっています

同社の事業は、企業の脱炭素化や省エネルギー化という、今後数十年にわたる長期的な巨大な追い風を直接受けています。
また、データセンターの冷却効率化やインフラの老朽化対策にも応用が進んでおり、国策テーマとの親和性が極めて高い企業です。

サービスの提供プロセスを効率化したり、AIなどを活用した高付加価値なサービスへの移行を加速させたりして、利益率をさらに引き上げられるかが、テンバガーへの道のりを左右すると言えるでしょう。

その他の東証プライムテンバガー候補銘柄

コード銘柄名事業内容
7717ブイ・テクノロジーFPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置大手。特に有機EL関連装置に強みを持つ。AIやXR技術の進化に伴う高精細ディスプレイの需要拡大が追い風に。
6101ツガミ精密自動旋盤や研削盤などを手掛ける工作機械メーカー。小型・精密部品加工に強み。EV化や半導体製造自動化のニーズが高まり、高精度な加工技術が注目される。
3925ダブルスタンダードAIを活用したデータ自動入力・連携サービスを提供。RPAやDX推進の国策テーマに完全に合致している上、大手企業との連携も進み、成長性に期待。
6368オルガノ半導体工場に不可欠な高度な水処理技術を有する企業。グローバルな工場増設と環境規制強化が追い風。メンテナンスや消耗品などが安定ストック収入に。
4062イビデンAIや高性能計算(HPC)向けパッケージ基板の超微細加工技術に強み。価格決定権を持つため、設備稼働率が上がると利益が伸びやすい。

政策や社会構造の変化はテンバガー誕生のチャンスに

筆者がこれまでの投資実務を通じて特に印象に残っているのは、2013年のアベノミクス相場と2020年のコロナショック後に訪れたリバウンド相場です。
政策や社会構造が大きく変化したため、多くのテンバガー銘柄が誕生する起点になったと考えています。
こうしたタイミングを逃さないことも、テンバガーを掴む上では重要でしょう。

アベノミクスで実感した「政策と市場の共振」

2013年、日経平均株価はわずか1年で約5割上昇し、個別銘柄では2倍、3倍と株価を伸ばす企業が相次ぎました。
この急騰は、金融緩和、円安政策、インフラ投資といった国策の加速が背景にあります。

当時、初期段階でレーザーテックやキーエンスなどの銘柄をポートフォリオに組み入れ、短期間で大きな利益を得られたお客様もいらっしゃいます。
政策と企業成長テーマが完全に同期した瞬間であり、資金の流れが明確な方向性を持っていた相場でした。

筆者自身も、発表前の政策シナリオを見越してポジションを構築し、ニュースが表面化した時点ではすでに利益が積み上がっていたことを鮮明に記憶しています。
「政策とテーマの一致こそがテンバガーの起点になる」という確信を得たのは、このときが初めてでした。

コロナバブルで見えた「構造変化が生む成長」

次に記憶に残るのが、2020年のコロナショック後に始まったリバウンド相場です。
この相場は単なる反発ではなく、社会の仕組みそのものが根本的に変わり始めた時期でした。
リモートワークの定着やクラウド化の加速により、企業のIT投資が一気に進んだのです。

ここで躍進したエムスリーやSHIFTといった銘柄群を見ると、独占的な武器を持つ企業が、デジタルシフトという巨大な追い風を捉え、その利益加速構造を一気に発現させたとわかります。
国策としてもデジタル庁の設立やDX推進が掲げられ、政策・産業・投資家心理の3要素が重なったため、市場全体が活気を取り戻しました

経験から導き出された投資の本質

株価は常に未来を先取りして動きます。
ニュースが出てからでは、すでに乗り遅れている場合が多いものです。

筆者がこれらの相場を通じて痛感したのは、「政策・産業・投資家心理が重なった瞬間に資金が爆発的に動く」という事実です。
つまり、話題が表面化する前に社会構造の変化を感じ取り、成長の芽を見つけることが重要です。

テンバガーは、市場で騒がれてからではなく、静かに構造が変わり始めるタイミングで仕込んだ投資家のもとに訪れます。
その確信こそが、筆者が長年の市場経験とともにお客様と歩んできたなかで得た最大の教訓です。

東証プライム市場でテンバガーを掴むためのポイント

市場の構造的な追い風を受けていて、競争力を有し、利益率も高い銘柄に、大幅上昇を期待して投資する際のポイントや注意点を解説します。

ポイント①:決算発表で成長を確認

銘柄を選定した当初は追い風を受けていても、社会構造や政策が変化すれば、その追い風が止んでしまう可能性があります。

そこで、その企業を取り巻く市場環境が悪化していないか、悪化している場合にはそれが一過性のものなのかを定期的に確認する必要があります。
あわせて、利益率が低下していないかや売上高の伸びが鈍化していないかについても、毎回の決算発表で確認したいです。

もし利益の低下や成長率の鈍化が見られた場合には、目標を引き下げて、早めの利益確定を検討するのが良いでしょう。

ポイント②:市場が熱狂する前の初動を狙う

腰を据えて大きな値幅を取り切るには、成長局面の「初動」で仕込む必要があります。
例えば、半導体相場における2020年、AI相場における2022年末が、まさにそのエントリータイミングでした。

2020年のコロナショック時には工場が停止する可能性など心配材料ばかりに投資家の目が向いていました。
しかし、その後はデジタル化で需要が爆発的に高まるとの期待から、半導体関連株は大幅に上昇しています。

また、2022年11月末にChatGPTがリリースされた当初も、市場の熱狂は限定的でした。
2022年は株式市場全体が、インフレ懸念から調整含みであったためです。
結果として、市場が熱狂する前の2022年末が、AI関連銘柄の絶好の仕込み時となりました。

すでに市場に期待感が広がっている場合には、銘柄がすでに高値圏にある可能性を意識する必要があります。

ポイント③:長期保有を念頭に置く

東証プライムでテンバガーになった銘柄の多くが、業績の拡大とともに着実に下値を切り上げる形で、時間をかけて上昇しています。
そのため、テンバガーを狙うのであれば、成長や市場の拡大が続く限り、保有を続ける忍耐力が必要です。

とはいえ、自信が選別した銘柄が本当にもっと伸びるのか、不安になることもあるでしょう。
そこで、1つの銘柄に集中投資するのではなく、3〜5銘柄へ分散投資を行うのも手です。
値動きの異なる業種を組み合わせれば、ポートフォリオ全体のボラティリティを抑えつつ、大きな値幅を狙えます。

まとめ|未来を読み解き、テンバガーを掴むために

東証プライム市場のテンバガー達成銘柄には「独占を生む参入障壁」「超高収益モデルの確立」「市場の構造的な追い風」といった3つの共通点があります。

さらに、株価の爆発的な上昇は、政策・産業・投資家心理が重なる「社会構造の変化の初動」で発生します。
話題が表面化する前の静かなタイミングで、AIインフラ、スマート防衛、再生可能エネルギーといった国策と結びつく成長テーマを見つけることが重要です。

是非こうした視点を持ちつつ、テンバガーを狙った投資に挑戦してみてください。

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執筆者情報

nari

大畠 典仁

本部長

準大手の証券会社にて資産運用のアドバイザーを務めた後、日本株主力の投資顧問会社の支店長となる。現在は日本投資機構株式会社の筆頭アナリストとして多くのお客様に株式投資の助言を行いつつ、YouTubeチャンネルにも積極的に出演しており、資産運用の重要さを発信している。

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