OpenAIの上場はいつ?株価見通しや投資リスク、注目の関連銘柄を解説

石塚 由奈

日本投資機構株式会社 証券アナリスト(CMA) テクニカルアナリスト(CMTA®)

OpenAIの上場はいつ?株価見通しや投資リスク、注目の関連銘柄を解説

2026年5月、OpenAIのIPO(新規株式公開)が、ついに現実のものとなってきました。
ChatGPTを開発した世界最大のAI企業が、いったいいつ・どんな条件で株式市場に登場するのか。
個人投資家から機関投資家まで、多くの市場参加者の注目を集めています。

そこで本記事では、OpenAIの上場時期や上場後の株価シナリオ、注目のOpenAI関連銘柄について、まとめて解説します。

目次

OpenAIの上場はいつ?|2026年内のIPOが現実的に

2026年5月、OpenAIはIPO申請に向けて急速に動き始めています。
米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の報道では、早ければ2026年5月22日にも規制当局へIPOを非公開申請(コンフィデンシャル申請)する見通しです。
そして、CEOのサム・アルトマン氏は2026年9月までの上場完了を目指していると伝わっています。
主幹事はゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーが務め、上場市場はナスダック(NASDAQ)が有力です。

アンソロピックやSpaceXの上場を意識した動きか

当初2026年末を想定していた上場計画が前倒しになった背景には、競合のアンソロピック(Anthropic)への対抗意識があると言われています。
直近では、二次市場の時価総額でアンソロピックがOpenAIを逆転したと伝わっており、「AI業界の代表」ポジションをアンソロピックに取られる前にと、急いで上場に動いたとみられています。

また、2026年6月12日に予定するSpaceXの上場も意識しているとみられます。
SpaceXの上場前に申請が進めば、投資家が「9月にはOpenAIの上場もあるから、資金を残しておこう」と判断する余地が生まれます

さらに、法的リスクの後退したも、上場への動きを早めました。
イーロン・マスク氏がOpenAIに対して訴訟を起こしていたのですが、2026年5月18日に陪審員の全会一致で棄却されたのです。

評価額は1.5兆ドル(約230兆円)規模へ

OpenAIの評価額も急速に切り上がってきました。

2026年1月時点では約5,000億ドルでしたが、同年3月に1,220億ドル(約19兆円)の資金調達を行った際の評価額は8,520億ドルに達しています。
2026年5月時点の予測市場では1.5兆ドル超で上場するシナリオがもっとも有力視されています。

OpenAI上場でマーケット全体に売りが出る?

今後は、SpaceX、OpenAI、アンソロピックと史上最大規模の超大型IPOが続く見通しです。
これによって、株式市場全体の資金フローにも影響が出る可能性が意識されています。

たとえば、機関投資家がOpenAI株を買い付けるために既存の保有株を売却する動きが出る可能性があります。
また、暗号資産など、株式以外の金融資産からも資金が流出するリスクがあると指摘されています。

特に、これらの企業の上場1~2週間前にあたる機関投資家・個人投資家への売り込み(ロードショー)期間には注意したいです。
株式市場全体の上値が重くなるようなタイミングで、換金売りが一気に出る可能性も意識しておきましょう。

OpenAI株の上場に向けて準備を整えよう

2026年5月時点では、OpenAIは未上場であるため一般の個人投資家は直接株式を購入できません。
まずは、上場に備えて準備をしておきましょう。

上場後にOpenAIの株を買うのであれば、米国株の取引が可能な証券口座が必要になります。
SBI証券・楽天証券・マネックス証券・松井証券・ウィブル証券・moomoo証券などが米国株取引に対応しています。

OpenAI上場後の期待材料

ここからは、OpenAI株を上場後に購入したいと考えている投資家に向けて、株価上昇要因として期待される材料を整理していきます。

期待材料①|収益成長と評価の見える化

何といっても、OpenAIの手掛けるAIサービスが世界中の企業・消費者に定着し、その過程で業績を拡大させると期待されています。

OpenAIの2026年度の年間収益は、約100億ドルに達するとされます。
ChatGPT・API・エンタープライズ向けサービスで急成長を続けており、AI市場全体の拡大がそのまま収益に直結しやすいです。

上場によって評価が「見える化」されれば、非上場時に保守的だったバリュエーション(企業価値評価)が修正される可能性があります。
AI投資需要は依然旺盛で、投資家がOpenAI株に大量の資金を投じる展開も想定されます。

強気材料②|指数組み入れによる買い

もう1つの強力な強気材料として、主要株価指数への組み入れによる「機械的な買い需要」があります。
S&P500やNASDAQ100といった代表的な指数に採用されると、これらに連動するインデックスファンドやETFが規約上、採用銘柄を必ず買い付ける必要が生じます。

特に注目されているのが、NASDAQ100で2026年5月1日から適用された「ファスト・エントリー・ルール」です。
従来は12月の定期入れ替えを待つ必要がありましたが、新ルールでは大型の新規上場銘柄を早期に組み入れられるようになりました。
NASDAQ100には黒字要件がないため、OpenAIが赤字でも採用される可能性があります。

S&P500側にも変化があります。
2026年5月時点で、S&Pも超大型IPO銘柄の早期組み入れに向けた採用基準の見直しを進めており、5月28日までの意見募集を経て6月8日に新基準が導入される見通しです。
S&P500連動ファンドの規模は約24兆ドル(約3,800兆円)と巨大で、組み入れが実現すれば株価への影響は計り知れません。

ただし現行のS&P500には「直近4四半期連続で黒字」という採用要件があります。
赤字のOpenAIはまずNASDAQ100経由でパッシブ買いの恩恵を受け、その後黒字化に応じてS&P500採用を狙うことになるとみられます。

OpenAIに投資する際のリスク

一方で、上場後のOpenAIを巡っては懸念材料も少なくありません。

OpenAIの評価額が1.5兆ドルになるとすれば、PSR(株価売上高倍率)では150倍超に相当します。
すでに高く評価されているため、リスクが顕在化した場合、株価がまとまった下落を見せる可能性があります。

そのため、投資をする前に何がリスクになり得るかを理解しておきましょう。

リスク①|財務負担・集中リスク

OpenAIは膨大なデータセンター投資とモデル開発コストを抱えており、黒字化のタイミングは不透明です。

OpenAIは次世代モデルの開発とデータセンターの拡充のために毎年数兆円規模の設備投資が必要とされます。
コストが先行する収益モデルのため、黒字転換のタイムラインが延びると投資家心理が悪化するリスクがあります。

リスク②|競合他社と競争激化

生成AI市場はOpenAIだけの独壇場ではありません。
アンソロピックはGoogleとAmazonから巨額の出資を受け急成長しており、GoogleのGeminiシリーズも進化を続けています。
競争が激化するなかで、ChatGPTのブランド優位性と技術的リードを維持できるかが、株価を左右する最大の変数です。

弱気材料③|AIバブル崩壊リスク

2020年代のAIブームは、1990年代後半のITバブルと比較されることがあります。
AIへの期待が剥落したり、技術革新のペースが鈍化したりすれば株価は大幅に調整するリスクがあります。

OpenAIのロックアップ期間はいつ明ける?

OpenAI株への投資を考えるうえで見落とせないのが、ロックアップ期間です。
ロックアップとは、IPO後の一定期間、創業者・従業員・既存投資家などのインサイダーが保有株を市場で売却できないように制限する仕組みです。
米国のIPOでは通常180日(約半年)の設定が標準的で、ロックアップが明けるタイミングで売り注文が出やすく、株価が大きく動く需給イベントとして警戒されます。

OpenAIのロックアップ期間は180日が有力視

2026年5月時点で、OpenAIのロックアップ期間に関する公式情報はまだ開示されていません。
正式な条件は、目論見書(S-1)が公表される時点で初めて明らかになります。

米国SEC(証券取引委員会)の公表する一般的な水準と直近の大型IPO事例を踏まえると、OpenAIのロックアップ期間も180日前後で設定される可能性が高いとみられます。
仮に2026年9月の上場が実現した場合、ロックアップ明けは2027年3月前後となる計算です。
このタイミングでは大量の従業員株・既存投資家株が市場に放出される可能性があり、株価に強い下押し圧力がかかる場面として警戒すべきイベントになります。

OpenAIは上場前から既に従業員に売却機会を提供

ただし、通常のスタートアップと違い、OpenAIには「ロックアップ明けの売り圧力」が幾分緩和されている可能性があります。
その理由は、上場以前から従業員に対してテンダーオファー(自社株式公開買付け)による換金機会が提供されてきたためです。

米ウォール・ストリート・ジャーナルの報道によると、OpenAIはベスティング期間(株式付与までの勤続期間)を2年と比較的短く設定しています。
そのため、2年以上勤務した従業員はIPO前のテンダーオファーで株式を売却できる仕組みになっています。

実際、2025年10月には600人を超える現・元従業員がこの仕組みを使って株式を現金化し、1人あたり最大3,000万ドル(約46億円)の利益を得たと報じられています。
これにより、ロックアップ明けに一気に売却したい従業員の数は通常より少ない可能性があります。

段階的解除や早期解除トリガーにも注目

近年の大型IPOでは、180日一括解除ではなく段階的にロックアップを解除する仕組みも採用されています。

例えば、上場後の株価が一定水準を維持した場合に早期解除されるトリガー条項や、決算発表のタイミングで部分的に解除される仕組みなどです。
SpaceXのIPOでも、株式の市場流入を分散させるための段階的解除が議論されています。
OpenAIが同様の仕組みを採用するかどうかは、目論見書の開示内容で確認できます。

投資戦略の観点では、ロックアップ明けの前後で株価が一時的に調整した局面が、長期保有を目的とした押し目買いのチャンスになる可能性があります。
反対に、ロックアップ明けの売り圧力を警戒して上場直後の高値で利益確定する戦略も考えられます。
OpenAIに直接投資する個人投資家だけでなく、ソフトバンクグループ(9984)などの関連銘柄に投資する場合も、ロックアップ明けの需給インパクトは無視できない論点です。

OpenAI関連銘柄|上場前から恩恵を受けられる注目株

OpenAI株が買えない今からポジションを持つのであれば、OpenAIの成長から間接的に恩恵を受けられる関連銘柄を買うという選択肢もあります。
国内外を問わず代表的な銘柄を押さえておきましょう。

マイクロソフト(MSFT)|OpenAI最大の出資企業

マイクロソフト(MSFT)はOpenAIに累計130億ドル超を出資した最大の外部株主です。
ChatGPTの技術はMicrosoft 365・Azure・Bing・Copilotに組み込まれており、OpenAIの成長はそのままマイクロソフトのクラウド・AI収益に直結します。

OpenAI上場後も出資比率が維持されれば、持分価値の上昇がバランスシートを押し上げる効果も期待されます。
米国株に投資できる証券口座があれば、今すぐ購入できるOpenAIに近い銘柄です。

エヌビディア(NVDA)|AIチップ需要の最大受益者

エヌビディア(NVDA)はOpenAIを含むAIモデル開発に不可欠なGPU(画像処理半導体)の圧倒的シェアを持ちます。
OpenAIが次世代モデルの開発を続ける限り、エヌビディアへのGPU発注も続きます
評価額1.5兆ドルのOpenAIが上場すれば、AI投資全体への注目が高まり、エヌビディア株への追い風にもなり得ます。

ソフトバンクグループ(9984)|日本株唯一の直接出資企業

日本株の中でOpenAIに直接出資しているのはソフトバンクグループ(9984)のみです。
出資比率は約13%で、OpenAIの評価額1.5兆ドルを前提にすると持分価値は約30兆円規模に達します。

OpenAI上場前から、OpenAIの価値上昇をソフトバンクグループ株を通じて間接的に享受できる点が日本人投資家にとっての最大のメリットです。
ただし、ソフトバンクグループ株はOpen AI 1本ではなくアーム・ホールディングス(ARM)など複数の大型資産を保有しており、それぞれのリスクが株価に影響する点に注意が必要です。

[関連]ソフトバンクGはどうなる?アーム株下落とOpenAI売上未達報道、新会社設立を解説

さくらインターネット(3778)|Stargateとの連携で注目

さくらインターネット(3778)は、OpenAIとソフトバンクが主導する国内AI基盤プロジェクト「Stargate Japan」において、データセンター整備の重要な役割を担っています

OpenAIがStargate Japanを通じて日本でのAIインフラ投資を拡大するにつれ、国内データセンター需要の最大受益者に。
OpenAI本体には投資できない個人投資家が、日本国内でOpenAIの活動の恩恵をダイレクトに受けられる銘柄として注目されています。

AI関連ETF|1本で複数の関連銘柄に分散投資

個別銘柄のリスクを避けながらOpenAI関連の恩恵を取りに行く方法として、AI関連ETFがあります。
「グローバルX AI&ビッグデータETF(223A)」や「グローバルX 半導体ETF(2243)」などは東証に上場しており、エヌビディアなどのOpenAI関連銘柄を組み込んでいます。
1本購入するだけで分散投資ができるため、米国株口座がない方や投資初心者にも取り組みやすい選択肢です。

まとめ|OpenAI上場が世界の注目を集める!

OpenAIのIPOは、AIブームを象徴する大型イベントとして、世界の株式市場から大きな注目を集めそうです。
上場後は、AI市場の成長期待や指数組み入れによる買い需要が追い風になる一方で、巨額の投資負担、黒字化の不透明感、競合激化、高すぎるバリュエーションには注意が必要です。

OpenAI株はまだ直接購入できませんが、マイクロソフト、エヌビディア、ソフトバンクグループ、さくらインターネット、AI関連ETFなどを通じて、間接的にOpenAI関連の成長テーマに投資する選択肢はあります。
ただし、関連銘柄としての期待だけでなく、各社の業績や事業リスクも確認したうえで、慎重に投資判断を行う必要があります。

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執筆者情報

nari

石塚 由奈

日本投資機構株式会社 証券アナリスト(CMA) テクニカルアナリスト(CMTA®)

国内株式、海外株式、外国為替の領域で経験豊富なアナリスト・ファンドマネージャーのもと、金融市場の基礎・特徴、マクロ経済の捉え方、個別株式の分析、チャート分析、流動性分析などを学びながら、日本投資機構株式会社では唯一の女性アナリストとして登録。自身が専任するLINE公式など各コンテンツに累計7000名以上が参加。Twitterのフォロワー数も3万人を超える人気アナリスト。

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