上場廃止で株はどうなる?基準・株主の権利・再上場までわかりやすく解説

日本投資機構 編集部

日本投資機構株式会社

上場廃止で株はどうなる?基準・株主の権利・再上場までわかりやすく解説

2025年に東京証券取引所で上場を廃止した企業は125社にのぼり、2013年の東証・大証統合以降で2年連続の過去最多を更新しました。保有している銘柄が上場廃止になったらどうなるのか、不安に感じている方も多いはずです。

上場廃止は必ずしも株価の下落や資産価値の消失を意味するわけではありません。

この記事では、投資顧問会社である日本投資機構株式会社が、JPXや国税庁が公表する一次情報をもとに、上場廃止が決まった株がどうなるのか、株主の権利や証券口座での扱い、再上場の可能性まで解説します。

目次

上場廃止とは|改善期間から整理銘柄までの流れ

上場廃止とは|改善期間から整理銘柄までの流れ

上場廃止とは、東京証券取引所などの金融商品取引所で、その企業の株式を売買できなくなる状態を指します。上場廃止に至るまでには段階があり、いきなり売買が止まるわけではありません。

まず上場を続けるための基準(上場維持基準)を満たせなくなると、原則1年間(売買高の基準だけは6ヶ月間)の改善期間に入ります。

改善期間内に基準を満たせなければ、監理銘柄や整理銘柄に指定された後、正式に上場廃止となります。この流れを知っておくと、保有株が上場廃止になった際にも落ち着いて対応できます。

上場廃止の定義と整理銘柄指定までの流れ

上場廃止は「取引所での売買が終了する」ことを指し、決定後もすぐには売買が止まりません。投資家に売却の機会を確保するため、取引所は上場廃止が決まった株式を一定期間「整理銘柄」に指定し、売買を続けられるようにしているからです。

日本取引所グループ(JPX)によると、上場維持基準に適合しない状態が続くと、原則1年間(売買高基準のみ6ヶ月間)の改善期間に入ります。この期間内に基準を満たせなければ、監理銘柄に指定されて審査が行われ、最終的に上場廃止が決定すると整理銘柄に指定されます。

整理銘柄の指定期間は原則1ヶ月間で、この間は通常どおり市場で売買できます。ただし、上場維持基準への不適合を理由とする上場廃止に限っては、監理銘柄と整理銘柄を合わせて原則6ヶ月間の指定期間が設けられます。

いずれの場合も、整理銘柄の期間が終わって初めて実際に上場廃止となり、取引所での売買ができなくなります。

強制上場廃止と自主的上場廃止の違い

上場廃止には、取引所の基準に抵触して強制的に廃止される場合と、企業が自ら申請して廃止する場合の2種類があります。強制的な廃止は業績悪化や不祥事など、投資家保護の観点から取引所が判断するのに対し、自主的な廃止は経営陣が非公開化のメリットを重視して選ぶ点で性格が大きく異なります。

強制的な上場廃止の典型は、債務超過や有価証券報告書の提出遅延、株主数の減少など基準に抵触するケースです。
一方、自主的な上場廃止は、経営陣が自社株を買い取るMBO(マネジメント・バイアウト)や、親会社によるTOB(株式公開買い付け)を通じた完全子会社化などで選ばれます。

時事通信の集計によると、2025年にMBOの実施を発表した企業は11月末時点で28社にのぼり、前年の18社から大きく増えて年間で過去最多を更新しました。強制的な廃止とは異なり、自主的な上場廃止では買い取り価格に市場価格を上回るプレミアムが乗せられることが多く、株価にとってプラスに働くケースも少なくありません。

上場廃止になる理由|25年は125社と過去最多

上場廃止になる理由|25年は125社と過去最多

上場廃止になる理由は、大きく分けて「取引所の基準に抵触するケース」と「企業が経営判断で自主的に選ぶケース」の2つです。

時事通信の報道によると、2025年に東京証券取引所で上場を廃止した企業は125社にのぼり、前年から31社増えて2013年の東証・大証統合以降で2年連続の過去最多を更新しました

廃止理由の内訳を見ると、他社による買収が49社と最も多く、支配株主による買収が27社、MBOが26社、完全子会社化が17社と続いています。

単純な業績不振による倒産だけでなく、企業再編を目的とした前向きな上場廃止が増えているのが、直近の大きな特徴です。

上場廃止理由件数
他社による買収49社
支配株主による買収27社
MBO(経営陣による買収)26社
完全子会社化17社
2025年の上場廃止理由の内訳(日経ビジネス集計、12月8日時点)

上場維持基準・上場廃止基準に抵触するケース(株主数・時価総額・債務超過など)

取引所が定める基準を満たせなくなり、強制的に上場を廃止されるパターンです。取引所は投資家保護の観点から、一定の株主数や流通株式の規模、財務の健全性を上場企業に求めており、これらを満たせない企業は市場に残る資格がないと判断されるためです。

JPXは、株主数や流通株式時価総額、流通株式比率、時価総額などを「上場維持基準」として定めており、これを満たせない状態が改善期間を過ぎても続くと上場廃止に至ります。また、債務超過や有価証券報告書の提出遅延、虚偽記載などは「上場廃止基準」として別に定められています。

2025年3月1日以降は、それまで設けられていた上場維持基準の経過措置が終了し、本来の基準がそのまま適用されるようになりました。この結果、基準に適合できない企業が増え、2026年以降も上場廃止件数は高止まりする見通しだと日本経済新聞は報じています。

経営戦略で自主的に選ぶケース(MBO・TOB・完全子会社化)

経営戦略で自主的に上場廃止を選ぶ企業は、株主対応や情報開示のコストから解放され、経営の自由度を高める狙いがあります。

上場を維持するには決算開示や監査費用、株主総会の運営など多くのコストがかかるうえ、短期的な株価を意識した経営を求められがちです。非公開化すれば、こうした制約を減らして中長期的な経営判断がしやすくなります。

前掲の内訳のとおり、2025年の上場廃止は買収や完全子会社化など、自主的な色合いの強い理由が大半を占めています。「物言う株主」からの要求が強まる中で、経営陣が自ら株式を買い取って非公開化するMBOも、こうした流れの一つです。

上場廃止が決まった株はどうなる|整理銘柄での売買期間

上場廃止が決まった株はどうなる|整理銘柄での売買期間

上場廃止が決まった株は、すぐに売買できなくなるわけではありません。取引所は投資家に売却の機会を与えるため、上場廃止が正式に決定した株式を「整理銘柄」に指定し、原則、一定期間は通常どおり売買を続けられるようにしています。

ただし、経営破綻や重大な不祥事を理由に整理銘柄へ指定された銘柄では、値動きに関するルールが通常とは異なり、大きく変動しやすくなる点に注意が必要です。整理銘柄の期間が終了すると、実際に取引所での売買ができなくなり、株式は発行会社や信託銀行が管理する形に移ります。

指定後、原則1ヶ月間は売買が可能

整理銘柄に指定されてから実際に上場廃止となるまで、原則1ヶ月間は市場での売買が可能です。取引所は、上場廃止が決まった瞬間に売買を止めてしまうと株主が不利益を受けてしまうと考えており、換金の機会を確保するために一定の猶予期間を設けています。

たとえば、不正会計を理由に2025年8月31日付で上場廃止となったオルツの場合、整理銘柄の指定期間は7月30日から8月30日までの約1ヶ月間でした。この期間中に株を売却すれば、通常の株式と同じように証券会社を通じて現金化できます。

なお、上場維持基準への不適合を理由とする上場廃止では、監理銘柄と整理銘柄を合わせて原則6ヶ月間の指定期間が設けられており、売買できる期間はより長くなります。

整理銘柄に指定された段階は「もう手遅れ」な状況ではなく、売却を判断する時間はまだ残っています。ただし、業績悪化が理由の場合は株価が大きく下がっているケースが多く、売却しても投資額を大きく下回る場合がある点には注意が必要です。

整理銘柄では値幅制限の下限が撤廃されることがある

経営破綻(破産法・会社更生法・民事再生法の申請)や重大な不祥事を理由に整理銘柄へ指定された銘柄では、値幅制限の下限が撤廃されます。売り注文が殺到して売買が成立しない状態を避け、換金の機会を早期に確保する狙いがあるからです。

撤廃されるのは下限のみで、整理銘柄に指定された日の翌々営業日から適用されます。最初に売買が成立した日の翌営業日には、通常の値幅制限に戻ります。この間は株価が一気に1円などの極めて低い水準まで下落するリスクがある一方、短期的な思惑で乱高下しやすくなる特徴もあります。

一方、MBOやTOBのように買い取り価格が提示されている整理銘柄では、この措置は取られず、通常の値幅制限がそのまま適用されます。

値動きが荒くなりやすいため、整理銘柄になった株式への新規の投資は、投機的な色合いが強くなる点を理解しておく必要があります。

上場廃止後の株主の権利|議決権と配当は原則残る

上場廃止後の株主の権利|議決権と配当は原則残る

上場廃止後、株式は取引所で売買できなくなりますが、株主の権利がすべて消えるわけではありません。企業が倒産や100%減資に至った場合を除けば、株主総会での議決権や配当を受け取る権利は、上場廃止後も原則維持されます。

ただし、上場廃止後は株式の管理方法が大きく変わり、証券会社ではなく発行会社や信託銀行が株主を管理する形に移行します。権利が残るケースと消えるケースを正しく区別し、慌てず対応できるようにしておくことが大切です。

倒産・100%減資では株主権が失われるケース

企業が倒産して100%減資を行った場合、それまでの株主が持っていた株式は無価値になり、株主の権利も失われます。100%減資とは、既存の株式をすべて無効にしたうえで新しい株式を発行し、新たな出資者から資金を集め直す手続きだからです。

既存株主の持ち分は、この時点でゼロにリセットされます。日本航空(JAL)は2010年に会社更生法の適用を受けて上場廃止となった際、100%減資を実施しました。

この結果、旧株主が保有していた株式は無価値化し、2012年にJALが再上場した後も、旧株式が復活したり新株が交付されたりすることはありませんでした。倒産による上場廃止では、こうした株主権の消滅が起こり得ると理解しておく必要があります。

存続企業では株主名簿での管理に切り替わる

倒産を伴わない上場廃止であれば、株主の議決権や配当請求権は上場廃止後も原則維持されます。MBOや完全子会社化などによる上場廃止は、会社自体が存続することが前提のため、株主の法的な地位は変わらないからです。

上場廃止後は、証券保管振替機構(ほふり)での取り扱いがいずれ終了し、証券会社の口座から株式が払い出されます。以降は発行会社や、発行会社が指定する信託銀行が管理する株主名簿によって、株主が管理される形に移ります。

配当金の受け取りや株主総会の招集通知なども、証券会社経由ではなく発行会社側から届くようになる点は覚えておきましょう。

松井証券のFAQによると、上場廃止後に株主権が失われるかどうかは、廃止の原因が解散や民事再生、会社更生の申立てに該当するかどうかで区別されます。これらに該当しない存続前提の廃止であれば、証券会社ではなく発行会社の株主名簿での管理に移るだけで、株主という立場自体は失われません。

保有株の証券口座での扱い|特定管理口座への移管

保有株の証券口座での扱い|特定管理口座への移管

上場廃止になった株式は、証券会社の通常の口座では管理できなくなります。破綻などで無価値化が見込まれる銘柄については、証券会社が「特定管理口座」と呼ばれる専用の口座に株式を移して管理を続け、税務上の扱いを明確にする仕組みが用意されています。

特定管理口座で保有している株式が最終的に無価値になった場合には、確定申告を通じて他の株式の譲渡益と損益通算できる制度も用意されています。手続きを知らないまま放置すると、使えるはずの税制上の救済策を逃してしまう可能性があります。

特定管理口座に移管され評価額は原則0円になる

特定管理口座に移された株式は、評価額が原則0円になります。取引所での売買ができなくなった株式には市場価格が存在しなくなるため、証券会社は税務上の扱いを明確にする目的で、通常の口座とは別の枠組みで管理しています。

対象となるのは、特定口座で保有していた国内株式が上場廃止となり、証券保管振替機構での取り扱いが継続している間に受け入れられたものです。解散や民事再生、会社更生の申立てを理由とする上場廃止が主な対象で、MBOやTOBのように株式が買い取られるケースは該当しません。

証券会社によっては特定管理口座の開設が必要な場合もあるため、保有銘柄が上場廃止になりそうな際は、事前に証券会社へ確認しておくと安心です。

無価値化した場合は譲渡損失とみなして損益通算できる

特定管理口座で管理している株式が無価値になった場合、その損失は他の株式の譲渡益と相殺できる「みなし譲渡損失の特例」の対象になります。上場廃止によって株式が無価値化しても、実際に売却したわけではないため、通常であれば税務上の損失には計上できません。

そこで、投資家の不利益を軽減するために特例が設けられています。特例の対象となるのは、発行会社の清算結了や破産手続開始の決定、100%減資など一定の事実が生じた場合です。この事実が確認されると、証券会社から「価値喪失株式に係る証明書」が交付されます。

この証明書を使って確定申告を行うと、無価値化による損失は上場株式等の譲渡損失とみなされ、その年の他の上場株式等の譲渡益や配当所得等と損益通算できます。控除しきれない分は、翌年以後3年間にわたって繰り越すことも可能です。

上場廃止パターン別の値動きの違い

上場廃止パターン別の値動きの違い

上場廃止と聞くと、株価が下落するイメージを持つ方が多いかもしれませんが、実際には廃止に至った経緯によって値動きの傾向は大きく異なります。

前掲の内訳のとおり、2025年の上場廃止は買収やMBOなど経営戦略で選ばれるケースが、業績悪化による強制廃止を大きく上回っています。

廃止のパターンを見分けることが、保有銘柄への対応を考えるうえでの重要な判断軸になります。

MBO・TOBによる上場廃止|株価は上昇しやすい

MBOやTOBを通じた上場廃止では、買い取り価格が発表時点の株価にプレミアムを乗せて設定されることが多く、株価は上昇しやすい傾向にあります

経営陣や親会社は、既存株主から株式を買い集める必要があるため、市場価格のままでは応募が集まりにくく、一定の上乗せ幅を提示するのが一般的だからです。

特にPBR(株価純資産倍率)が1倍を大きく下回る企業は「解散価値以下」と見なされやすく、買収の対象になりやすいといわれています。時事通信の集計によると、2025年にMBOの実施を発表した企業は11月末時点で28社にのぼり、前年の18社から大幅に増加して過去最多を更新しました(前掲の日経ビジネス集計の26社は、12月8日時点で実際に上場廃止に至った件数です)。

買い取り価格を巡ってアクティビスト(物言う株主)が増額を要求する動きも増えており、当初の提示価格からさらに株価が切り上がるケースも見られます。

業績悪化・上場維持基準未達による上場廃止は株価が下落しやすい

業績の悪化や上場維持基準への抵触が理由で上場廃止に至る場合は、買収時のようなプレミアムが付かず、株価は下落したまま推移しやすい傾向にあります。

この場合、買い手がついて価格が上乗せされるわけではなく、企業の実際の姿を映した市場価格がそのまま整理銘柄の期間まで続くためです。倒産に近いケースでは、100%減資によって株式自体が無価値になる場合もあります。

不正会計を理由に2025年8月31日付で東証グロース市場から上場廃止となったオルツのように、不祥事や業績悪化が理由の廃止では、上場廃止が発表された時点で株価が急落するケースが目立ちます。

同様に、債務超過や有価証券報告書の提出遅延といった上場廃止基準への抵触が理由の場合も、経営の先行き不透明感から株価が下落したまま整理銘柄入りする傾向があります。廃止の理由が前向きな再編か業績の悪化かを見極める点が、対応を判断するうえでの最初のポイントです。

上場廃止になった企業は再上場できるのか

上場廃止になった企業は再上場できるのか

上場廃止は、必ずしも企業の終わりを意味するわけではありません。経営再建や事業構造の見直しを経て、再び取引所の審査を受けて上場を果たす「再上場」の事例も数多く存在します。

ただし、再上場するためには新規上場と同等の審査基準をクリアする必要があり、上場廃止時に無価値化した株式が復活するわけでもありません。

再上場までにかかる年数は企業によってさまざまで、数年で果たすケースもあれば、十数年を要するケースもあります。再上場の仕組みと実際の事例を押さえておくと、上場廃止に対する見方も変わってきます。

再上場の条件

再上場を果たすには、新規に上場する企業と同じ水準の審査基準を満たす必要があり、単に業績が回復しただけでは認められません。

取引所は投資家保護の観点から、過去に上場廃止となった企業であっても特別な優遇はせず、財務状況やガバナンス体制、事業の継続性などを新規上場企業と同じ基準で審査するためです。

再上場を目指す企業は、上場廃止の原因となった問題(債務超過や不正会計、経営破綻など)を解消したうえで、通常の新規株式公開(IPO)と同様の手続きを踏む必要があります。審査には数年単位の時間がかかる場合が多く、日本航空のように会社更生法の申請から再上場まで約2年8ヶ月というスピード事例は、むしろ珍しいケースといえます。

SBI新生銀行・JX金属は25年にプライム上場

2025年には、SBI新生銀行やJX金属など、過去に市場から姿を消した企業が相次いで東証プライム市場へ上場しました。いずれも上場廃止後に親会社の傘下で経営基盤を立て直し、再び市場からの資金調達や信用力向上を目指せる体制を整えたためです。

SBI新生銀行は2023年9月に上場廃止となった後、公的資金の完済を経て2025年12月に東証プライム市場へ再上場しました。JX金属は、前身の新日鉱ホールディングスが2010年に上場廃止となってから15年を経て、2025年3月に東証プライム市場へ上場しています(東証・同社ともに「新規上場」として扱っています)。

ソニーフィナンシャルグループも2020年の上場廃止から5年後の2025年に再上場を果たしました。このように、上場廃止から数年から十数年というスパンはかかるものの、再上場自体は決して珍しい選択肢ではありません。

保有銘柄が上場廃止リスクを抱えている場合の対応方法

保有銘柄が上場廃止リスクを抱えている場合の対応方法

自分の保有している銘柄が上場廃止になるかもしれないと感じたら、まず取引所が公表している一次情報を確認することが欠かせません。噂やSNSの情報だけで慌てて売買を判断すると、かえって損失を広げてしまう可能性があります。

監理銘柄や整理銘柄への指定は、取引所の公式サイトで随時公表されているため、日頃からチェックする習慣をつけておくと安心です。そのうえで、上場廃止の理由に応じて売却するか保有を続けるかを冷静に判断する必要があります。

監理銘柄・整理銘柄への指定を早期に把握する方法

保有銘柄の上場廃止リスクをいち早く把握するには、JPX(日本取引所グループ)が公表している改善期間該当銘柄や監理・整理銘柄の一覧を定期的に確認することが有効です。上場維持基準への不適合が理由の上場廃止では、必ず改善期間や監理銘柄への指定という段階を踏むため、これらの一覧に名前が載った時点で早めの対応を検討できます。

JPXの公式サイトでは「改善期間該当銘柄等一覧」や「監理・整理銘柄一覧」が随時更新されており、流通株式時価総額や流通株式比率に関する基準は週次で、グロース市場の時価総額基準は毎月中旬に更新されます。

プライム市場の売買代金基準については、毎年1月の第5営業日ごろに一覧へ反映される仕組みです。証券会社が発行するレポートや適時開示情報も参考にしつつ、公式の一次情報を必ず確認するようにしましょう。

売却するか保有を続けるかの判断ポイント

上場廃止の理由が経営戦略による自主的な選択か、業績悪化による強制的な廃止かによって、売却か保有継続かの判断基準は大きく変わります。

MBOやTOBによる上場廃止の場合は、買い取り価格が提示されます。市場価格が買い取り価格を上回って売却できる可能性は低いため、市場価格が買い取り価格に近づいた段階で売却し、利益を確定させる投資家が多く見られます。

一方、業績悪化や不正会計が理由の場合は、整理銘柄の期間中にさらに株価が下落するリスクがあります。保有を続けるかどうかは、資産全体に占める割合やリスク許容度を踏まえて早めに判断することが重要です。

まとめ|上場廃止は必ずしも損失に直結しない

上場廃止は、業績悪化による強制的なケースだけでなく、MBOやTOBといった経営戦略による選択によっても起こります。2025年は125社が上場廃止となり、2013年以降で2年連続の最多を更新しましたが、その内訳は買収や完全子会社化が中心で、必ずしも企業の失敗を意味するものではありません。

保有銘柄が上場廃止のニュースに触れた際は、まず廃止の理由を確認し、整理銘柄の期間や証券口座での取り扱いを踏まえたうえで、売却か保有継続かを判断することが大切です。JPXが公表する一次情報を日頃からチェックする習慣をつけて、慌てずに対応できるようにしておきましょう。

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執筆者情報

nari

日本投資機構 編集部

日本投資機構株式会社

INVEST LEADERSを運営する顧問投資会社「日本投資機構株式会社」の代表取締役を含めたスタッフ及びサポートアナリストの記事を掲載しています。株式投資や金融に纏わる話題は勿論のこと、読者の暮らしや生活を豊かにするトピックスや情報を共有していきます。

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