2026年3月の日本株式市場は、2026年2月に記録した高値から一転、年初来安値を更新する急落の1ヶ月となりました。
イランを巡る軍事衝突とホルムズ海峡リスクを背景に原油価格が急騰。
エネルギー輸入国である日本にとってはコスト増加と景気悪化懸念が同時に意識され、幅広い銘柄に売りが広がりました。
一方で、資源・エネルギー関連株には資金が流入したほか、高配当株には押し目買いが波及。
有事相場特有の「選別色」が強まった1ヶ月でもありました。
この記事では、そんな2026年3月の日本株相場を振り返りながら、相場を動かした3つの要因とセクター別の動向、そして4月以降の注目ポイントまで総まとめします。
2026年3月の日本株式市場を振り返る

2026年3月の日本株式市場は、月を通して下落基調が続きました。
2月末に勃発したイラン攻撃の影響を引きずりながらスタートし、中東情勢の悪化をきっかけにリスク回避の売りが優勢に。
月間で7,786円の大幅下落となりました。
特にホルムズ海峡封鎖による原油価格の急騰がインフレ懸念を再燃させ、金利上昇圧力を意識した売りも拡大。
日経平均株価は3月30日に一時5万558円まで下落する場面も見られ、2月の衆院選後の上昇分をほぼ打ち消す、厳しい1ヶ月となりました。
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2026年3月の相場を動かした3つの要因

3月の相場は、中東情勢という単一の外部リスクが市場全体を覆い尽くした1ヶ月でした。
その中で相場を動かした3つの要因を振り返ります。
中東戦争の激化とホルムズ海峡リスクで原油高、幅広い銘柄が下落
2月末に勃発したイラン攻撃の影響が拡大する中、イラン側がホルムズ海峡を封鎖。
原油輸送の要衝であるこの海峡が機能不全に陥り、原油価格は急騰しました。
WTI原油先物は乱高下を繰り返しながらも高止まりが続き、国内ではガソリン価格が1リットル当たり20〜30円も大幅に値上がりする事態となりました。
さらにエネルギー価格の高騰は企業のコスト増加に直結し、化学・自動車・不動産など幅広いセクターに売りが波及。
日経平均は3月9日に前営業日比4,213円安となる5万1,407円まで売り込まれ、2024年8月5日以来、歴代2位の下げ幅を記録しました。
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原油高と金利上昇圧力で景気懸念が強まり、年初来安値を更新
原油高が長期化する中、市場で警戒されたのがスタグフレーション(物価高と景気後退の同時進行)です。
エネルギー価格の上昇によるインフレが進む一方、景気後退懸念が同時に広がるという最悪のシナリオが意識され、FRBの利下げ期待が後退。
年内利上げ見送り観測も浮上し、これまでの相場をけん引してきたAI・ハイテク株への換金売りが加速しました。
3月後半に入るとイラン革命防衛隊によるホルムズ海峡閉鎖宣言やフーシ派の参戦など、悪材料が次々と重なり戦況はさらに悪化。
終わりの見えない紛争に投資家心理は一段と冷え込み、3月30日には日経平均が一時5万566円まで下落し、年初来安値を更新しました。
バークシャー出資や配当権利取りが相場の下支え要因に
厳しい下落が続いた3月でしたが、相場を下支えする材料も存在しました。
3月23日に米国の投資会社バークシャー・ハサウェイが、東京海上HDに2,874億円を出資し資本業務提携を締結。
これを受けて東京海上HDが2営業日で34.4%急騰したほか、バークシャーがすでに保有する大手商社5社にも買いが波及し、日本株への海外投資家の関心を改めて引きつけました。
また、3月27日の配当権利付き最終日に向けた配当権利取りの買いも、相場を下支えの要因となりました。
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2026年3月のセクター動向|有事相場が生んだ勝者と敗者

原油高騰と地政学リスクが高まった3月は、セクター間の明暗がはっきりと分かれました。
同じ市場の中でも、リスクを追い風に変えた銘柄と、コスト増や金利上昇に押しつぶされたセクターを振り返ります。
資源、石油、海運株は原油高騰で相対的に堅調
中東情勢の悪化と原油価格の高止まりが追い風となり、資源・海運セクターは下落相場の中で存在感を発揮しました。
海外に多数の原油・天然ガス権益を持つINPEX(1605)は、3月中の上昇率が前月末比23.7%に達し、6週間連続での上昇。
ENEOSホールディングス(5020)など石油元売りセクターも堅調に推移し、商船三井(9104)など海運株も軒並み上昇しました。
AI・半導体株は米株調整と金利上昇懸念、換金売りで下落
これまで相場を牽引してきたAI・ハイテク関連株には、厳しい1ヶ月となりました。
原油高によるインフレ再燃でFRBの利下げ期待が後退し、金利上昇が株価の割高感につながりやすいAI・ハイテク株への逆風に。
米国市場では、AI関連株の代表格であるエヌビディア(NVDA)が一時前月末比7.67%下落するなど、利益確定売りに押されました。
また、マイクロン・テクノロジー(MU)も好決算を発表した直後にもかかわらず、大幅調整。
好材料でも売られる厳しい地合いが続きました。
国内でもアドバンテスト(6857)、レーザーテック(6920)など半導体関連株が換金売りに押されたほか、自動車・機械・電機など輸出関連株も幅広く売られる展開となりました。
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防衛、レアアース関連は地政学リスクを背景に物色継続
地政学リスクの高まりを受け、三菱重工業(7011)をはじめとする防衛銘柄は、高市首相が防衛力強化への言及を続ける中、継続的に物色される展開となりました。
レアアース関連株は、3月19日の日米首脳会談で「日米重要鉱物プロジェクト」が合意され、南鳥島沖の深海レアアース開発での協力覚書も締結。
期待感を先に織り込む形で、海底レアアース回収技術を持つ東洋エンジニアリング(6330)が買われ、3月13日の終値2,731円から17日の高値3,645円まで33.47%上昇しました。
海底資源開発に強い三井海洋開発(6269)も13日の終値1万3,590円から19日の高値1万5,925円まで17.18%急騰しました。
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高配当・バリュー株は配当需要と資金退避先として下支え
リスクオフムードが強まる中、相対的に安定していたのが高配当・バリュー株です。
3月27日の配当権利付き最終日に向けた権利取りの買いが相場全体の下支えとなり、不安定な相場環境の中で「安定した配当収入」を求める資金の退避先としても機能しました。
2026年4月の注目ポイント

3月の相場を踏まえ、ここからは4月以降に投資家が押さえておくべきポイントを解説していきます。
中東戦争の激化か停戦かで原油価格と株価が分かれる
4月相場の最大の焦点は、中東戦争の行方です。
停戦交渉に向けた動きも一部で見られるものの、先行きは依然として見通しにくい状況が続いています。
紛争の停戦と原油価格の安定が確認されるまで、株価の本格的な回復は見込みにくいでしょう。
米雇用統計・景気指標の悪化が株価の下押し要因に
4月上旬には米国の重要経済指標の発表が相次ぎます。
開戦後初となる3月雇用統計やISM景況指数など、中東情勢やエネルギー価格急騰の影響が数字に反映されてくるタイミングです。
2月の雇用統計は市場予想を大きく下回る結果となっており、3月分の結果次第では株価への新たな下押し圧力となる可能性があります。
原油高によるインフレ懸念でFRBの政策判断に注目
原油高の長期化により、米国ではスタグフレーション(物価高と景気後退の同時進行)への警戒が続いています。
利下げが遠のく可能性を指摘する声も出てきており、パウエル議長をはじめFRB高官の発言が相場を動かす場面が増えそうです。
利下げ見送り観測が強まれば、割高なAI・ハイテク株への売り圧力が一段と高まる点にも注意が必要です。
円安が続く中、為替介入の可能性に注目
為替市場では円安圧力が続いており、2024年7月の円買い介入水準である161円台後半が射程に入ってきています。
ただ、今回の円安は有事のドル買いや貿易赤字の拡大など、経済の実態に沿った面もあり、介入が正当化されるかどうかは微妙なところ。
4月末には日銀の金融政策決定会合を控えており、「為替、金利、株価」が複雑に絡み合う展開となりそうです。
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まとめ
2026年3月の日本株市場は、イラン戦争の勃発とホルムズ海峡封鎖による原油高騰という地政学リスクに翻弄された1ヶ月でした。
日経平均は月間で約7,786円下落し、2月に達成した史上最高値からの反落が鮮明に。
資源・海運株が恩恵を受けた一方、AI・ハイテク株や内需系セクターへの売りが止まらず、有事相場ならではの二極化が際立ちました。
4月は中東情勢の行方に加え、米国の重要経済指標の発表や日銀の金融政策決定会合、為替介入の可能性と、相場を左右するイベントが続きます。
停戦への期待が高まるのか、戦況がさらに悪化するのか。引き続き最新の市場情報をチェックしながら、投資判断に役立ててください。
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日本投資機構株式会社
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