アイ・グリッド・ソリューションズ(603A)は、2026年7月29日に東証グロース市場へ上場しました。公開価格770円に対し、初値は953円。初値は公開価格を23.8%上回り、初日終値は830円でした。
この記事には公開価格・初値、募集条件、上場時に開示されていた事業と業績予想を記録しています。アイ・グリッドの最新の株価・決算・今後の見通しは、以下の徹底分析記事で解説しています。
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アイ・グリッドのIPO結果|公開価格770円・初値953円

アイ・グリッドは公開価格を上回って初値を付けましたが、初日終値は初値を下回りました。公開価格、初値、終値はそれぞれ異なる価格です。IPOの結果を振り返る際は、どの価格を基準にするかを区別します。
上場日・公開価格・初値・初日終値
上場日は2026年7月29日、市場は東証グロース、証券コードは603Aです。公開価格770円に対し、初値953円との差は183円でした。100株当たりでは1万8,300円の差額で、売買手数料や税金を差し引く前の金額です。
初日終値は830円で、公開価格比では7.8%高い一方、初値比では12.9%下回りました。初値で買った人と公募で取得した人では、同じ終値でも損益が異なります。ここで示すのは上場初日の記録で、その後の株価評価や現在の買い時を示すものではありません。
| 項目 | IPOの結果 |
|---|---|
| 上場日・市場 | 2026年7月29日・東証グロース |
| 証券コード | 603A |
| 公開価格 | 770円 |
| 初値 | 953円・公開価格比+23.8% |
| 初日終値 | 830円・公開価格比+7.8% |
| 売買単位 | 100株 |
仮条件から購入申込までの上場日程
上場承認は6月25日、仮条件の決定は7月10日でした。当初の想定発行価格710円に対し、仮条件は740〜770円に設定されています。7月17日に決まった公開価格は、仮条件の上限770円でした。
ブックビルディングは投資家の需要を調べる手続きで、実施期間は7月13〜16日。購入申込期間は7月21〜24日でした。仮条件の上限で決まった結果は確認できますが、それだけで上場後の上昇が保証されたわけではありません。これらの受付期間はすでに終了しています。
| 手続き | 日程 |
|---|---|
| 上場承認 | 2026年6月25日 |
| 仮条件決定 | 7月10日・740〜770円 |
| ブックビルディング | 7月13〜16日 |
| 公開価格決定 | 7月17日・770円 |
| 購入申込 | 7月21〜24日 |
| 上場 | 7月29日 |
公募・売出と株主構成|上場時の需給条件

IPOは新株を発行する公募と、既存株主が保有株を売る売出を組み合わせました。売出代金は会社の資金調達額ではありません。 株数と代金の行き先を分けると、当時の需給と成長資金を整理できます。
公募と売出の株数・主幹事・資金使途
公募は268万9,000株、売出は805万1,500株でした。オーバーアロットメントによる追加売出は161万1,000株で、主幹事は野村證券です。追加売出を含む公開価格ベースの総額は約95.1億円となります。
この総額が全額会社へ入るわけではありません。公募による会社の調達資金はPPA設備への投資などに充てる計画で、既存株主による売出の代金は売却した株主へ渡ります。公募後の上場時発行済み株式数3,479万9,000株に公開価格を掛けた時価総額は、約268億円でした。
| 区分 | 株数・条件 |
|---|---|
| 公募 | 2,689,000株 |
| 売出 | 8,051,500株 |
| OAによる追加売出 | 1,611,000株 |
| 公募・売出総額 | 約95.1億円・OAを含み770円で計算 |
| 主幹事 | 野村證券 |
上場時の大株主とロックアップ条件
上場時の株主には伊藤忠商事、THE FUND投資事業有限責任組合などが名を連ねました。伊藤忠商事は売出に参加せず、親引けで50万株を取得しています。親引けは、発行会社が指定した相手に株式を配分する仕組みです。
主な対象株主には2027年1月24日までのロックアップが設定されました。ただし、対象者や主幹事の事前同意などの例外は契約ごとに確認が必要です。すべての株主が同じ条件で売却を制限されるわけではなく、期限後の一斉売却が決まっていたわけでもありません。
IPO時点の事業と業績|開示されていた情報を整理

上場時の中心事業は、施設の屋根を活用する太陽光発電と電力取引でした。当時の業績予想を後から発表された実績で置き換えず、IPO時点で投資家が確認できた情報として、事業の仕組みと数字を残します。
上場時の事業概要と収益源
GXソリューション事業では、商業施設や物流施設の屋根上に太陽光発電設備を開発し、電力を供給します。PPAは電力購入契約を指し、自社保有設備では原則20年間の契約で投資を回収する仕組みです。売電に加え、設備開発や運営も収益源でした。
同社が設備を持つ方式だけでなく、提携先が保有するアライアンスなども組み合わせています。エナジートレーディング事業では、発電した余剰電力の販売や電力小売を担います。長期契約がある事業でも、設備費、金利、発電量や電力調達費の影響は受ける構造です。
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当時の実績・会社予想と公開価格での評価
上場時に示した25年6月期実績は売上高229.39億円、営業利益31.39億円でした。26年6月期の会社予想は売上254.64億円、営業利益32.38億円です。この予想は上場時の開示値であり、後日確定した決算実績とは異なります。
公開価格770円を当時の26年6月期予想EPS53.69円で割ると、予想PERは約14.3倍でした。27年6月期予想EPS61.88円なら約12.4倍です。利益の対象年度と株数の前提が違うため、倍率だけを抜き出して現在の割安さを判断する使い方には向きません。
| 項目 | 25年6月期実績 | 26年6月期予想 | 27年6月期予想 |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 229.39億円 | 254.64億円 | 309.66億円 |
| 営業利益 | 31.39億円 | 32.38億円 | 38.44億円 |
| 純利益 | 15.95億円 | 17.23億円 | 21.40億円 |
| 1株利益 | 49.80円 | 53.69円 | 61.88円 |
| 配当 | 0円 | 0円 | 0円 |
まとめ|IPOの記録と上場後の株価分析を分けて確認
アイ・グリッドのIPOは、公開価格770円に対し初値953円、初日終値830円となりました。募集では公募と既存株主の売出を組み合わせています。
上場時の予想利益や募集条件は、IPOの評価を振り返るための記録です。 その後の決算実績や増資を含む株価評価とは区別して読む必要があります。
現在の投資を検討する際は、導入から案内している銘柄徹底分析記事で、最新の決算とPPAの利益構造、資金負担を確認してください。

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執筆者情報
日本投資機構株式会社 アナリスト
大学時代に投資家である祖母の影響で日本株のトレーディングを始める。大学時代、アベノミクスの恩恵も受けて資金を増やすことに成功する。卒業後、証券会社、投資顧問会社を経て2019年2月より日本投資機構株式会社の分析者に就任。モメンタム分析を最も得意としており、IPO(新規上場株)やセクター分析にも長けたアナリスト。

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