2026年10月から何が変わる?増税・減税と食品値上げ一覧

日本投資機構 編集部

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2026年10月から何が変わる?増税・減税と食品値上げ一覧

2026年10月1日は、ビールの減税、一部の発泡酒やチューハイの増税、加熱式たばこの課税方式変更が重なる日です。事業者向けにはインボイスの経過措置も変わり、10月中には飲食料品3,000品目以上の値上げが見込まれます。

ただし、税額が変わる商品と、メーカーが価格を改定する食品では、家計への届き方が異なります。編集部が2026年9月28日までの公表資料を基に、主な対象、変更時期、負担額の確かめ方を整理しました。

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目次

10月は食品値上げと税負担の変更が重なる

10月は食品値上げと税負担の変更が重なる

同じ「負担増」でも、食品メーカーの価格改定、商品にかかる税金、事業者の納税額は別の仕組みです。誰が直接影響を受ける変更なのかを先に分けると、自分に関係する項目を絞れます。

商品にかかる税金と事業者の税負担を一覧で比較

主な変更を表にまとめました。インボイスの控除縮小は、買い物時の消費税率の変更ではありません。該当する仕入れを行う課税事業者への影響です。

対象変更時期
ビール減税10月1日
発泡酒区分により増減税・据え置き10月1日
チューハイ等原則増税10月1日
加熱式たばこ課税方式を全面移行10月1日
免税事業者等からの仕入れ控除割合を縮小10月1日
飲食料品メーカーの価格改定商品ごと
家計と身近な事業活動に関わる主な変更。個別の適用条件は以下で確認。

税額の変更と店頭価格の変更は分けて確認

酒税が下がっても、缶ビールの値札が同じ金額だけ下がるとは限りません。国税庁は酒税改正分の適正な価格転嫁を求めていますが、実際の販売価格には原材料費や流通費、販売店の設定も反映されます。

食品の発表にある「10月1日出荷分から」も、その日に全国の店頭価格が切り替わる意味ではありません。入荷時期によって売り場への反映はずれます。税制は適用日、食品は対象商品と出荷・納品日を確認すると、値札が変わる時期を読み違えにくくなります。

10月は飲食料品3,000品目以上が値上げの見込み

10月は飲食料品3,000品目以上が値上げの見込み

帝国データバンクの2026年8月31日公表調査では、10月の値上げ予定は3,033品目です。食品主要195社を対象とした集計で、全国の全商品数ではありません。発表後の追加・変更もあり得ます。

菓子・冷凍食品など、値上げ対象と改定時期を確認

9月28日のTVQ報道も、10月に3,000品目以上が値上げされる見通しを伝えています。各社発表から主な例を整理すると、同じ10月でも出荷基準と納品基準が混在しています。

メーカー・対象例改定の開始公表した改定幅
湖池屋・カラムーチョなど20品10月1日出荷分想定5〜8%
味の素冷凍食品・家庭用製品10月1日納品分5〜8%
明治・辻利の飲料3品10月1日出荷分出荷価格約16〜21%
対象商品の例。各社の改定幅は店頭価格の上昇率を保証しません。

価格改定の背景に人件費・物流費などの上昇

湖池屋は原材料・配送費・人件費の上昇、明治は原材料の高止まりや製造・流通コストの上昇を説明しています。複数の費用が重なっているため、特定の原料相場が下がっただけで値下げに転じるとは限りません。

また、1本の発表に複数月の値上げが含まれる場合があります。明治の発表では、飲料は10月ですが、きのこの山・たけのこの里などチョコレート・スナック11品は11月1日出荷分からです。会社名だけで10月の対象と判断せず、商品群ごとの日付を確認しましょう。

内容量の減少も含め、購入量当たりの価格で比較

味の素冷凍食品は、価格改定に加えて一部製品の規格変更による実質的な値上げも発表しています。値札が同じでも、1袋の重量や個数が変われば、いつもと同じ量を買うための支出は増えます。

レシートの金額とパッケージの内容量をセットで残すと、次の買い物で比較できます。100g当たりの価格は「税込価格÷内容量(g)×100」です。帝国データバンクの調査も内容量減少による実質値上げを含むため、3,033品目を値札の引き上げだけと捉えないようにしましょう。

酒税はビールが減税、一部の発泡酒やチューハイが増税

酒税はビールが減税、一部の発泡酒やチューハイが増税

酒税改正は、これまで段階的に進めてきた税率見直しの最終段階です。ビール系飲料の税率がそろっても、商品の販売価格が同じになるわけではありません。現在の税率と商品区分を基準に増減を比べます。

ビール系飲料は350ml当たり54.25円に統一

財務省によると、2026年10月からビール系飲料の酒税は1kl当たり15万5,000円になります。350ml換算では54.25円です。主な区分の変更は次のとおりです。

商品区分9月まで10月から差額
ビール63.35円54.25円−9.10円
発泡酒(麦芽25%未満等)約46.99円54.25円約+7.26円
チューハイ等28円35円+7円
酒税のみ・350ml換算。発泡酒とチューハイ等はアルコール分10%未満の該当区分。端数は丸めて表示。

発泡酒は現在の税率によって増減税の方向が異なる

発泡酒を一律に増税とする説明は正確ではありません。国税庁の税率表では、アルコール分10%未満で麦芽比率25%以上50%未満の発泡酒は、現在も1kl当たり15万5,000円で、改正後も同額です。

一方、麦芽比率50%以上の発泡酒や、アルコール分10%以上の発泡酒は減税になります。増税となるのは、麦芽比率25%未満などの低い税率が適用される区分です。一般に「新ジャンル」「第3のビール」と呼ばれる商品も含め、名称だけでなく表示上の品目と度数を確認してください。

チューハイ等と低アルコールの一部酒類も税負担が増える

チューハイ等でアルコール分10%未満の「その他の発泡性酒類」に当たる区分は、1kl当たりの酒税が8万円から10万円へ上がります。同じ名称でも、アルコール度数や税法上の分類によって適用税率は変わります。

発泡性がなく低アルコールの焼酎、ウイスキー、ブランデー、スピリッツ、リキュールに設けられた特例税率も引き上げられます。該当区分の増税幅は、アルコール分9%未満なら1L当たり20円、9%以上10%未満なら10円です。すべての焼酎やウイスキーが一律に増税されるわけではありません。

加熱式たばこは課税方式の見直しが第2段階へ進む

加熱式たばこは課税方式の見直しが第2段階へ進む

加熱式たばこでは、製品を紙巻たばこの何本分として課税するか、その換算方法が変わります。2026年10月は新方式への全面移行です。紙巻たばこも含めた税率引き上げの開始時期とは区別します。

10月から新しい換算方法を全面適用

国税庁によると、2026年4月から9月までは、旧方式と新方式で計算した本数を半分ずつ使う移行期間です。10月1日からは、新方式で換算した本数だけを使って課税します。

スティック型の新方式では、原則として重量0.35gを紙巻たばこ1本に換算し、1本の重量がそれ未満でも1本として扱います。製品形態や重量によって影響が異なるため、増税額は全銘柄共通ではありません。購入する銘柄について、メーカーの小売定価改定と適用日を確認する必要があります。

紙巻たばこを含む税率引き上げは2027年4月から

防衛財源に関わる国のたばこ税率の引き上げは、2027年4月、2028年4月、2029年4月に、それぞれ1本当たり0.5円ずつ予定されています。2026年10月の換算方法変更とは別の制度変更です。

20本入りなら、各段階の税額増は10円に相当します。ただし、これは税額の換算であり、将来の小売価格を示す数字ではありません。加熱式たばこは今回の見直しに加えて今後の税率改定も受けるため、家計では価格改定の発表ごとに月の購入額を見直すと実際の負担を把握できます。

インボイスの控除縮小で一部事業者の税負担が増える

インボイスの控除縮小で一部事業者の税負担が増える

一般課税で消費税を計算する事業者は、免税事業者などからの仕入れを点検する必要があります。仕入れ時の税相当額から差し引ける割合が縮小するためです。簡易課税などでは計算方法が異なります。

免税事業者等からの仕入れは80%控除から70%控除へ

2026年10月1日から2028年9月30日まで、対象仕入れの控除割合は70%になります。国税庁の2026年度改正資料に基づく割合で、従来予定されていた50%ではありません。ただし、9月までの80%よりは縮小します。

例えば、税率10%相当の税込11万円の仕入れなら、税相当額1万円に対する控除は8,000円から7,000円へ減ります。同じ条件なら納税額は1,000円増える計算です。全額が控除対象となる課税売上向けの仕入れで、経過措置の保存要件や金額上限を満たす場合の例です。

2割特例は全事業者が10月1日に一斉終了するわけではない

2割特例は、インボイス登録を機に免税事業者から課税事業者になった場合などに、納税額を売上税額の2割とできる措置です。適用期間は2026年9月30日までの日が属する課税期間で判定します。

そのため、要件を満たす個人事業者は2026年分も対象です。10月以降の売上から直ちに使えなくなる、と一律に判断するのは誤りです。2027年分・2028年分には対象の個人事業者向けに3割特例が設けられますが、法人は対象外です。事業形態と課税期間を分けて確認しましょう。

家計と企業への影響は購入量と価格転嫁で変わる

家計と企業への影響は購入量と価格転嫁で変わる

改正対象の商品を買っていなければ、その税額変更が家計に直接及ぶわけではありません。普段の購入量に当てはめると、節約を急ぐべき金額か判断できます。企業を見る場合は、値上げ後の数量も確認します。

350ml缶を月30本買う場合の税額差を比較

購入本数を月30本で固定し、改正前後の税率差に350mlと本数を掛けました。以下は酒税だけの差で、消費税込みの支出予測ではありません。

購入する区分月30本の酒税差
ビール−273円
発泡酒(麦芽25%未満・度数10%未満等)約+218円
チューハイ等(該当区分)+210円
差額=(改正後税率−改正前税率)×0.00035kl×30本。発泡酒は丸め前の税率で計算。

税差がそのまま価格へ反映されるかは別です。実際のレシートと照合し、食品の値上げによる増加分も加えて家計全体で捉えましょう。

買いだめは税額差だけでなく実売価格で判断

ビールでは、減税を待つかどうかより、現在の特売価格と改定後の通常価格との差が大きい場合があります。比較するのは同じ容量・本数の税込総額です。ケース購入では、ポイント条件や送料も含めて比べます。

なお、酒類の販売業者等には、在庫の新旧税額の差を調整する手持品課税や戻税の仕組みもあります。「9月に仕入れた在庫だから税額は変わらない」とは言い切れません。食品についても、改定対象外のサイズを同列に比較しないよう、商品名だけでなく重量・個数までそろえると購入判断がぶれにくくなります。

企業への影響は販売数量と商品構成まで確認

メーカーの値上げを、そのまま増益材料とみなすのは避けたいところです。売上が増えても、原材料・物流費がそれ以上に増えれば利益は減ります。高価格商品から低価格商品へ需要が移る影響も受けます。

決算では、価格改定、販売数量、商品構成、コストの寄与を分けて確認します。酒税統一ではビールと低税率商品の価格差が縮むため、どの商品へ需要が移るかも確認対象です。JTについては、価格改定と数量・利益の関係を掘り下げた個別記事も併せて読むと、制度と企業業績をつなげて整理できます。

まとめ

まとめ|対象商品と購入量をそろえて負担額を確かめよう

2026年10月は、増税・減税と食品の価格改定を分けて確認する必要があります。税率の増減だけでは、実際の買い物額までは決まりません。

家計では、いつも買う商品の区分・内容量・購入本数をそろえ、改定前後の税込価格を比べましょう。事業者は、仕入先の登録状況と自社の課税方法を点検してください。

株式投資へつなげるなら、値上げの発表だけでなく、その後の販売数量と利益率まで追うと、負担増が企業にどう及んだかを確かめられます。

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執筆者情報

nari

日本投資機構 編集部

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INVEST LEADERSを運営する顧問投資会社「日本投資機構株式会社」の代表取締役を含めたスタッフ及びサポートアナリストの記事を掲載しています。株式投資や金融に纏わる話題は勿論のこと、読者の暮らしや生活を豊かにするトピックスや情報を共有していきます。

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